Ⅱ章 彼女の場合-Otherside-
「……とうとう時間ですね。最後にワンプレー。カウンターを狙って終わりにしましょう」
出来ますか、という監督の問いに、ハルは落ち着いて頷いた。
慧と喜多村がマークを外してくれたおかげで、純は相手のエース―瀧 歩―を止めることが出来た。
均衡が崩れたと知るや、青応はエースのフォローに回った。それを阻止するため、由比ヶ浜のメンバーが抑えに入る。結果、文字通り混戦状態になり、試合の中心は、純とハルになった。勢いに乗った由比ヶ浜が追い上げる展開。しかし、それでも結果は変わらなか