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【Vidcon2023】映像・動画系生成AIとデジタルクリエイターのサミットで学んだ3つの話。

どうも香川県を拠点として教育メディア事業を手掛けるスタートアップの瀬戸内サニー株式会社代表のサニーです。YouTuberやってます。

今回アメリカのカリフォルニア・アナハイムで開催されたデジタルクリエイターのグローバルカンファレンス「Vidcon」 に参加してきました。現地での生な学びが大きかったので記事にまとめてます。

特にクリエイター向けとクリエイター産業向けにトークセッションが分けられてて、ざっくり言うとAIをテーマにしたトークセッションに注目が集まるカンファレンスだった印象。いくつか参加したトークセッションの中で3つのトークセッションが非常に学びがあったのでシェアします。

1.YouTuberやVCが次のZ世代クリエイターをインキュベーションし始めたお話

こちらは「Creator-Entrepreneurs&The next Generation Media Marketplace(クリエイター起業家と次の世代のメディア産業)」という海外のトップYouTuberが集まって開催されたトークセッション。

このトークセッションに登壇したのは、デジタルクリエイターでありながら、次の世代のクリエイターのインキュベーション事業も展開しているBrent Riveraさん。 YouTube登録者数は2500万人を超えてる。また、GenZ世代のクリエイターに特化したベンチャーキャピタルの代表Marshall Sandmanさんも登壇。


印象的だった言葉を並べると、

Brent「自分のチャンネルの動画投稿をしながら、若手クリエイターたちの育成もしないといけないので正直大変。(笑)意識としてはクリエイターを育てるというよりも、クリエイタービジネス(産業)を育てるという意識を持っている。そして何よりも大事なのが継続的な成長。これがなければクリエイタービジネスは継続しない。

Marshall「これからはBeyond Just Creatorだ。単なるYouTuberとしての成長だけでなく、IPの活用やビジネス上のネットワークを構築していけるクリエイターがもっと増えていくと思う。

Brent「単純に1、2年成功すればいいわけじゃない。10年20年やろうと思ってクリエイターとしてやっていくためには、detective myselft(自分自身と向き合い探求する力)、つまり自分を探求しておくことが大切になってくる。

個人的な印象としてこのセッションでは、アメリカでは次の世代のクリエイターを育成するためのVCやインキュベーション施設、また先輩メンター的な立ち位置のクリエイターが増えてきてるんだろうなあという印象でした。

また、クリエイターも単純に自身のブランド開発やIP活用といった側面で目先の売上を作るフェーズではなく、10年、20年と続くようなブランドづくりの観点が加わっている印象です。実際このデジタルクリエイター業界がどうディズニーランドを超えるような産業になれるのかどうかが彼らの頭の中にある印象でした。


2.YouTube産業とYouTube社のプロダクトマネージメントVPが話したクリエイターとAIのお話

次に特徴的だったのが「YouTube Industry Keynote」というトークセッション。YouTubeのプロダクトマネージメントの責任者(Vice President)であるAmjad Hanifさんがトップクリエイターたちを招いたトークセッションでYouTubeとAIに関する話を語りました。以下印象的だった言葉を抜粋。

Amjad「(V TuberやAI YouTuberは今後成り立っていくのか?という質問に対して、)例えば、ミッキーマウスは生まれてから成り立ち続けているし、チャップリンだって今でも映画や映像を観る人はいるだろう。VTuberやAI YouTuberも同じで、IPという発想で捉えるなら生き続けることは間違いないと思っている。

 Amjad「これからはコンテンツがグローバルになる。AIによるYouTube動画の多言語対応(YouTube Maltiple Language)にYouTube社は非常に力を入れている。例えば、みなさん一度は観たことがあるMR.BEASTのYouTubeチャンネルをAIで多言語対応を始めている。日本のNARUTOの声をAIに学習させてAIで翻訳させてしゃべらせるような言語対応を始めているんだ。(以下の動画マジでやばいから観てほしい…NARUTOの声でオープニング説明があってアニメ慣れしてる世代や人なら絶対見ちゃうぞ)

Amajad「つまりコンテンツがグローバルになるということは、クリエイターもグローバルになる。あと例えば以下のようにAIを使えば、簡単に英語をスペイン語にもできるし、ドイツ語にすることもできるんだ(noteは映像埋め込みができなんだけどAI Generatedの言語対応を進めているそう)

これすごい世界線が来たなあと思った一方で、アメリカと日本だと文化的な違いが大きい。アメリカコンテンツが日本で必ずしも受け入れられるわけじゃないし、日本のアニメコンテンツがアメリカ人全員に受け入れられるわけじゃない。ただ日本のエンタメコンテンツはアメリカを含め海外だと爆発的人気で受け入れられやすいので、逆に日本のクリエイターはチャンスではないかと思いました。(弊社あああああ!笑)

またチャンネル登録者数800万人を超えるLARRYさんも登壇。クリエイターにとって「AI or SELF-MADE」かというトークテーマ。

LARRY「アイディア出しに全然AIは使っていない。思いついてやっちゃうし、私の場合はショート動画とか観ててそこで発想してやっちゃう的な(笑)

LARRY「(ショート動画と長尺動画の棲み分けは?という質問に対して)ショート動画を観てくれた人が長尺動画も観ようかなと思ってくれることもある。私の場合はVideo Podcast的に耳でも聞いてて楽しめるようなコンテンツを心がけてます。

LARRYさん自身のチャンネルを見ても、YouTubeはどれだけその人のパーソナルな部分、タレント性を出すかが肝な部分もあるので、企画に力を入れるというよりもトークメインでやっているからこそそういった発言になったのではないかと感じました。


また登録者数3,300万人を超えるYouTuberのLia Shelesh(SSSniperWolf)さんもトークセッションに参加。日本のクリエイターも昔ほど毎日投稿をするYouTuberは減ってきている中で、Liaさんは今でも毎日投稿を続けているそう。そのモチベーションについて聞くと、

Lia「私はほぼ毎日投稿をしてるんだけど、その理由は視聴者の子達を一人にしたくないの。孤独だったりを感じて欲しくないから。GenZ HouseというZ世代向けの家も運営してたりしてる。(会場から拍手喝采)

非常に視聴者に対して想いを持って投稿しているのが人気クリエイターとしての秘訣だろうなあと正直話を聞いた時感動しました。登録者3,300万人を超えているからこそのメンタリティ。弊社ももっと視聴者ファーストで頑張りたいと思いました。

3.動画系生成AIによって映像中の演者の口の動きも言語別に対応されているスゴすぎる話…

そして最後に参加したトークセッション「CreateGPT:AI Workflows for Serious Creators」が凄すぎたので紹介。スピーカーはアーティストであり300万登録者を超えるYouTuber&起業家のPeter Hollensさんと、ゲーム系インフルエンサーかつ起業家のPaul Bakausさん。

Peter&Paul「実は映像や動画系生成AIは今では実写の映像をアニメに置き換えることができるようになった。その変化が1年の話だ。どれだけ短い期間でAIができることが進化しているかまずは知ってほしい。

映像動画系AIの変遷(パワポ中の写真は動画で実際は動いている)

観たい人はこちらダウンロードして観ちゃってください👇

Peter&Paul「その上で、今AIでできることは以下の5つ。原稿も書けて、背景含めた映像も作れちゃって、演者も生成できちゃって、サウンドトラックも作れちゃって、声までAIが作れちゃう。

Peter&Paul「でもこういう話をすると昔数学の先生たちが計算機が発明された時反対のデモを起こした。だけども今では誰もが計算機を使ったことがあるようになっている。それはAIも同じだよね。じゃあAIがあらためて僕たちを助けてくれることは何か。それは1.Save time、2.Improve、3.PowerUp」大きく分けるとこの3つのカテゴリーに分かれるんじゃないかと私たちは思っている。

Peter&Paul「じゃあクリエイターにとって、その3つの観点でAIがサポートしてくれることを考えると、Pre-production(動画制作前)とProduction(動画制作時)、Post Production(動画制作後)の3つに制作フェーズが分かれる。それぞれを以下で参考になるChatGPTの使い方やAIツールを紹介するね。

1.Pre-production(動画制作前)
ChatGPTを使って企画案やシナリオ出しをするとき一番重要なプロンプト(指示出し)なんだけどここまで細かく書いておくことをオススメする。あとプロンプトをする時に大事なのは「chain-of-Thougt Promprting」一気に答えを出させるんじゃなくて、その過程もインプットして指示することが大切。

2.Production(動画制作時)
参考になる
動画系AIツール👇
・decoherence
・descript
・audyo
・replica
・koe recast

3.Post Production(動画制作後)
特に動画生成系AIの中で動画制作後のSNSパブリッシングツールとして横長動画をAIが縦長のショーツ用に変換してくれるサービス「Big Room」と「Auto reframe」は使い勝手が良さそうでした。

Peter&Paul「最後に一番やばいのがこのFlawless AIなんだけど、AIで翻訳して変換した言語に合わせて映像中の演者の口の動きをその言語に変えちゃうんだ。マジでこれすごいだろ、、、

Peter&Paul「だけども一番重要なのは、AIはあくまでも人間のクリエイティビティをサポートしてくれる存在だ。だからこそ、Hollywoodが今クリエイターエコノミーの中心地でありながら、一番大事にしないといけないことは「Human Experience(人間の体験価値)」つまり、「Emotional Conneting(情緒的なコネクションやエンゲージメント)」だ。喜怒哀楽などの感情、人間として根本的なコンテンツを作ることが大切なんだ。

今回お話をしてくれたPeterとPaulもクリエイターであり起業家という側面を持つような人たち。今までであればビジネスの最前線にクリエイターが立つことはなかったが、AIを使いこなせれる最前線にいるからこそ、こうやってビジネスの最前線で活躍するようなクリエイター起業家が増えてくる予感が日本でもしました。

最後まとめと弊社決意的な

文化的な違いが大きいので、全てが日本に最適化できるわけではないけど、逆にアニメやエンタメ産業はもっともっと可能性があると感じるサミットでした。

また、弊社では、教育事業の一環として、地方の高校生を対象とした地方発シリコンバレー留学のYouTubeオーディション企画の準備を進めております。メディア事業でありながら、教育的要素も含みつつ、こういった世界の最前線に触れることで地方で活躍するグローバル人材を育成する中長期的かつ野心的な取り組みです。こちら日本に関わらず海外含め連携企業様や自治体なども募集しておりますので、ご興味ありましたらご連絡ください。

あ、あと最後に、TikTok発の超スーパースターZach Kingさんに会えたのが最高でした!笑 今回学んだことを活かしていきますのでフルフルで活かしていきます!ありがとうVidcon!

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