【はしがき】
「今日から『広島-DeNA』のクライマックスシリーズが始まるぞ!」と思いながら眠りについたからか、ガッツリと野球の夢を見た。我ながら単純な人間である。そういうところも嫌いじゃない。(自分で言うな)
最低でも、今日と明日、14日と15日の土日は、クライマックスシリーズが行われることを受けて、前後編で、ガッツリと野球の話を展開してみようと思う。
興味の無い方は、ごめんなさい。ブラウザバック推奨です。ちょっと今回は、野球ファン向けの内容になると思うし、そんな人向けの小話も、結構出すつもりです。ごめんなさい。(二回目)
夢の世界で、僕は、プロ野球選手になっていた。それも、贔屓にしているチーム、広島東洋カープのユニフォームを着て、1軍のマウンドに立っていた。
「マウンドに立っていた」と書いたように、僕のポジションはピッチャーだった。「1軍」とも書いたが、今日の試合が「初先発&初登板」だったようで、僕は、ガチガチに緊張していた。
ちなみに、相手チームは中日ドラゴンズ。球場は、ホーム球場のマツダスタジアムではなく、ビジター球場のバンテリンドームだった。
僕は、マウンドに上がってから降りるまで、ずっと緊張感を抱えながらのピッチングになったが、どうにかこうにか、5イニングを投げ切り、幸運にも勝利投手の権利を得た状態で、リリーフ投手へとバトンを繋ぐことが出来た。
具体的な投球内容は詳しく描写されなかったが、おそらく、5回2~3失点ぐらいだったと思われる。ダグアウトで戦況を見つめながら「先発投手として『試合を作る』という役目を最低限果たせたかな・・・。」と、自身の投球を振り返っていたことは、良く覚えている。
しかし、そこからが、長かった。
試合が後半~終盤に入るにつれて、取ったら取られての繰り返し。俗に言う「シーソーゲーム」のような様相を呈して、試合は延長戦へと入っていったのだ。
そもそも、僕は、5回2~3失点のピッチングで勝ち星が転がり込んでくるのは、さすがに虫の良い話だよな、と思っていたフシもあり、味方の投手が打たれた結果、自身の勝利投手の権利が消えたことには、特段、ネガティブな心境にはならなかった。
最終的に、12回まで試合は進んで、総力戦の末にドローゲーム、そんな予感すら漂って来たのだが、最後の最後に、我らがカープは、待望の勝ち越し点を挙げることとなる。
カープは(どういう状況でそうなったかは描写されていなかったのだが)一死三塁のチャンスを作り、バッターは、頼りになる男、西川龍馬。当然、1点もやれないドラゴンズは、前進守備を敷いて本塁阻止の構え。果たして、勝負の行方は・・・。
「ビュッ!」
「スパーン!」
「一閃」という熟語が似合う、龍馬らしい、バットでボールを切り裂くような(?)スイングから放たれた打球は、あっという間に外野へと飛んで行ったのだ!
だが、惜しくも、守備範囲の広さに定評のある岡林勇希の好プレーに阻まれ、ヒットとはならなかった。とはいえ、犠牲フライには十分過ぎるぐらいの飛距離だ。三塁ランナーは、悠々とホームへ生還することが出来た。
僕は、喜び勇んで、とでも言うのか、まるでサヨナラ打を決めたかのように、思わず、ベンチから少し飛び出した感じになってしまい、慌てて引き返し、恥ずかしそうに、自分の頭をさすっていた。そんな僕の滑稽な姿を見て、チームメイトは大爆笑していた。それを見て僕も笑った。龍馬も笑っていた。笑顔って、やっぱいいもんだなぁと、改めて、思った。
しかし、喜ぶにはまだ早い。待望の勝ち越し点と言っても、リードは1点なのだから。気が付けば、顔を綻(ほころ)ばせていたチームメイトは、みんな、キリッとした精悍な顔つきに変わっていたのだ。
喜ぶ時は思い切り喜び、締める時はしっかり締める。そういった切り替えの早さも、さすがプロだ。僕は、心の中でリスペクトの念を強めながら、口元の緩みを抑えるように、力を入れて、口を真一文字にして、再び戦況を見つめていた。
・・・・・・。
「ビュッ!」
「ブルーン!」
「ストライク!バッターアウト!」
「ゲームセット!」
最後、ブルペンには、益田武尚とアドゥワ誠しか残っていなかった中、益田を送り出した新井貴浩監督の期待に応え、三者連続三振という圧巻のピッチングで、見事、カープは勝利を収めたのだった!
~後編へ続く~
※後編