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コンフォートゾーンから出る~最近愚痴っぽいなぁ、不満が増えたなぁと感じたときがタイミング~

 先日、復職に関してコンフォートゾーンから考察してみました。今回はこのコンフォートゾーンについて、うつ病による休職者に限らず全ての人にあてはまることについて考えてみたいと思います。

 試しに『コンフォートゾーン』で検索するとそれはたくさんの記事が出てきます。だいたい同じことを書いてあります。繰り返しても仕方ないので精神科医としての考察を加えてみます(全てのネット記事をチェックしたわけではありません)。

 コンフォートゾーン、ラーニングゾーン、デンジャーゾーンとは自分を中心とした同心円で表現される心理的空間です。一番内側がコンフォートゾーン、直訳すれば『快適な空間』。でも実際は快適とは限らないと、前回も書きました。快適というより、慣れているだけの空間というのが正しいのです。ただ慣れているだけでそこから出たくないという心理的抵抗が働く。そういう意味でのコンフォートなのです。
 馴染みのない空間は、第三者からみてどれほど快適であっても、当人にとっては居心地が悪く落ち着けないのです。

 ちょっと極端な例を挙げるとDV家庭がそうです。暴力の中で育った子は、それが当たり前になり過ぎてしまうことがあります。大人になりいざ恋愛する段になって同じような暴力男と付き合ってしまうことは珍しくありません。誠意があって穏やかな男性と一緒にいるのがこの上なく落ち着かないのです。極めて深刻な訓化ともいえるでしょう。

 もう少し身近な例を考えます。給料やら上司やら、今の職場には不平不満がいっぱいだけど、なかなか転職に踏み切れないという場合もそうです。
 成功が保証された転職などありませんから、大きなエネルギーを使って行動するくらいなら、今いる職場で愚痴を言っている方がまだマシと思う、というか思おうとするのです。

 人は成長とともにコンフォートゾーンを広げていくものですが、人によっては新しいことへの抵抗が強すぎて不満の中でも現状に固執することがあります。

 何かヘンだな、つまらないな、などなど。疑問や不満を感じたり、愚痴っぽくなった時には、コンフォートゾーンに留まっていないかちょっと俯瞰で自分を見下ろしてみましょう。

 踏み出すことに心理的抵抗は起きて当たり前。それでも一歩踏み出せば、やがてそこが新たなコンフォートゾーンになるのです。そうやって世界を広げていけば、愚痴や不満そのものがやがて減っていくことに気づくでしょう。

🌟おわり🌟

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