見出し画像

「空間」は思いのほか、僕たちの行動に影響を与えている

 はじめまして。こんにちは。僕は東京の大学で建築の勉強をしています。僕のアカウントでは、クローズドな印象がある建築分野で考えられている事や、あまり知られていないけど建築分野の外の人が見ても「面白い!】と思うような内容を、僕自身の勉強も兼ねて発信しています

 僕たちが街を歩いているときや、ショッピングモールを歩いているとき。無意識のうちに、多くの「選択」をしていることに気づいているでしょうか?
 交差点のたびに、どちらの道に進むか進路を決めたり、その場所の居心地
を瞬時に判断して、その場にとどまるのか、移動をするのか判断しています。

こうした「選択」は、一見自分自身が無意識のうちに行っているように見えて、実際はその空間の大きさや形に影響される部分が大きいという考え方があります。

例えば店舗の通路。ショッピングモールなどの店を歩いているとき、先にある道の幅、曲がり具合などでその先に何があるのか、僕たちは経験に基づいて推測しているそうです。

 こうした人間の「経験に基づき行われる瞬間の判断」を逆手にとって、なにか面白いものは作れないでしょうか?

 nendo という国内のデザインオフィスでは、過去の作品集に「karaoke-tub」という作品を発表していました。これは、空間自体はバスタブのような形をしたカラオケで、お風呂で気持ちよく歌う感覚を、空間により引き出そうという作品であると考えられます。

このように考えていくと、他にも「トイレの寸法体系」と「作業机」をリンクさせればプライベート感が確保されて周りを気にせず作業に没頭できたりするかもしれませんし、狭くて目立った使われ方のない廊下の道幅を広げてみると、何か新しい行動が、そこで生まれる可能性もあるという事になります。

図書館などは、本棚がずらっと並んだ大空間であることが多く、公共性の高い空間ですが、本の分野ごとに、住宅に見られる書斎くらいの大きさの部屋で仕切りそれを連ねたような書架を作り、その各部屋の中に読書スペースも設ければ、プライベート性が高まって、より本に集中しやすい環境が埋まれそうです。



 基本的に、これまで建てられてきた建物は、合理的に考えられた、機能を満たすために必要最低限の寸法、形状にい落ち着いています。

 それらの一見離れたところにある機能を、寸法、形状により交差させることで、特定の場所において、これまでと違った感情が生まれたりする、新しい可能性に繋がります。

この考え方は、一見別なものをかけ合わせる、という発想法の空間的なアプローチですが、近年のイノベーションでは、そうした機能のかけ合わせから、新たな体験を生み出すことに重きが置かれているように感じますね(コンビニジムとして注目されているチョコザップなんかはまさにその代表事例ですが)。そうした発想ができるようになるには、日々「いいな」と思うものや、「これは便利だな」と思う事をストックしておいて、どこかで直線状に見る能力が必要ですね。



この記事が参加している募集

#日々の大切な習慣

with ライオン

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?