見出し画像

#6 貸借対照表を読み解く!~流動比率~

前回の「#5 貸借対照表の構造」で、貸借対照表(以下、バランスシート)に書かれていることの意味を解説しましたが、重要なのは“だからなんなの?”ということです。

#3の記事で以下のような指標を書きました。

・売上高成長率(=(当期売上高-前期売上高)/前期売上高)
・売上高総利益率(=売上高総利益/売上高)
・営業利益率(=営業利益/売上高)
・経常利益率(=経常利益/売上高)
・当期純利益率(=税引後当期純利益/売上高)

売上高成長率は、会社の成長性をみる指標です。その他の4つは会社の収益性をみる指標になります。

このほかに、効率性、安全性、総合力などをみる指標がありますが、バランスシートからの数字で安全性をみることができます。(効率性、総合力の指標はPLとBS両方の数字を使います)

もうこの構造は頭に入ったでしょうか?

無題

ここで質問です。以下のAとBは、どちらが安全(安定的)な会社と言えるでしょう?

無題

Aは、1年以内に支払わなければいけないお金が100万円あるのに対して、1年以内に現金化できるものが200万円あります。

Bは、1年以内に支払わなければいけないお金が200万円あるのに対して、1年以内に現金化できるものが100万円しかありません。

素直に考えれば、Aのほうが安全です。むしろBは資金ショートの恐れがあり危ない会社だと言えます。

流動資産を流動負債で割ったものを流動比率と言います。
Aの流動比率は200%、Bの流動比率は50%になります。

流動比率が100%を切るとそのままでは資金が足りなくなります。

一般的には120%を超えると安全圏、200%あれば黄金比率と言ったりもします。

流動資産の中でも特に、現預金と売掛金を足したものを当座資産と言いますが、当座資産を流動負債で割ったものを当座比率といいます。当座資産は流動資産の中でもより現金化されやすい(現預金は元々現金だし)ので、当座比率が100%を超えていると経営者としては安心です。

流動比率は簡単に計算できる指標なので、自社のバランスシートをみながら電卓たたいてみるといいと思います。

今回はここまでにして、次回は固定資産と負債における安全性について解説していきます。

「道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である」二宮尊徳
「物語なき数字も、数字なき物語も意味はない」御手洗富士夫
「ポストが赤いのも電柱が立っているのも、社長の責任である」一倉定

介護サービスの会社を経営しながら、経営学を学ぶため大学院に通っています。起業前の13年間は特養で働いていました。介護現場と経営と経営学、時々雑感を書いています。記事は無料ですがサポートは大歓迎です(^^)/