奇詩想集 "触れるべきではない思想" 自殺志願者の灯〜痕書

自殺志願者の灯

【惰性】

絡み付くような何かが

絡み付くような何かが

絡み付くような何かが

絡み付くような何かが心の奥底に根付いて離れない

重い

重い

重苦しく

重い

ただひたすらに重い

重い

何を目的としているのかは分からない

この苦しみ

そして私の人生

惰性

惰性

悲しむ顔が思い浮かぶ人がいるから

ただ、息をしているだけ

それだけ

【埋葬】

無気力な空間、重苦しい身体

今はただひたすらに

埋葬されてしまいたい

棺の中に閉じ込められて
ひんやりとした土の中に埋葬されてしまいたい

そして、時間の許す限り
今までの人生について振り返り

しっかりと"くだらない人生だった"と悟ったなら

地球の一部になる喜びを噛み締めて

穏やかに眠りに就きたい

それ程までに、無気力な感覚

それ程までに、逃げ出したい衝動

心の中は慟哭慟哭

これ程までにこの僕は
無様で許されざる存在となってしまった

【Bed】

ずっと、ずっと、ベットの上

何も食べず、ベットの上

空腹空腹空腹空腹

だけど、勇気がなくて

起き上がれなくてごめんなさい

このまま起き上がれなかったら

“死ねるのかな？”

痩せ細って、弱り切って
衰弱してったその先に

“一体どれほどの後悔が待ち受けているのだろうか？”

【癌細胞】

明るい側面だけを見ていると

自分は、癌細胞なんじゃないかなって思う

温かい家庭や良好な友人関係

そんな、社会の明るい側面だけを見ていると

自分が、この宇宙よりも暗い

暗い、暗い

悪性の癌細胞なんじゃないかって

そう思って

酷く

悲しくなってくるんだ

【勇気】

忘れ物があるような気がするんだ

遠く、遠く

そのまた遠く

見えもしないし、感じることもままならないけど

何かとても大切なものを

どこか遠くの奥底深くに

置き忘れてきてしまったような気がするんだ

【漠然としたモノ】

とてもちっぽけな何か

とてつもなくちっぽけな何か

判然としない何か

釈然としない何か

くっきりと見えているようでぼやけていて
研ぎ澄まされているようでみすぼらしくて

そこにあるのかないのかもはっきりとしなくて

良し悪しや善悪も正確には解らないけど

ソイツハイツモ

僕の胸にはっきりとした陰を落とす

【すべからく幼稚】

分かり切っているさ

この感情の幼稚さなど

だけど、尊敬すべき大人が見当たらないから

生きたいと思う世界が見つからないから

…………だから

だから…………

…………………………………………

…………分かっているさ…………

そうやって何かのせいにしているだけだって

自分が頑張れないのを他人のせいにしているだけだって

だけど、

だけどさ、

もう何も感じなくなってしまったんだ

くだらねぇ

つまらねぇ

死にてぇ

死にてぇよ……………

………………………………………………

………とか言ってたらさ

もう何もかもがくだらなくなってきて

不安とか恐怖とか怒りとか憎しみとか

死にたいとかもうそんなんどうでもよくなってきて

外の天気もいいし

何気なく散歩に出かけたくなって

今日も死ななくてよかったって

そうやって

伸びをしたら

阿呆らしくなって

思い切り

吹き出した

そんな昼下がり

…………結局……………

これからもきっと、僕は生きていく

無駄かもしれないけど

全部が全部、無意味かもしれないんだけど

これからもきっと、僕は生きていく

でもきっとまた、死にたくなるんだろうな

だけどそう、結局は、死に切れない

堕ちて堕ちて堕ちて堕ちて堕ちて堕ちて堕ちて

堕ちるとこまで堕ちたら
またきっとハッとしたように我に返って

生きたくなっちゃって

何事も無かったかのように

この世界に紛れ込み笑うんだ

素晴らしい世界

素晴らしい世界だ

ありがとう世界

存在していてくれてありがとう世界

僕は今日も生きるから

僕は今日も僕として在り続けるから

世界も世界として

広大な地球として

宇宙として

ずっと

ずっとずっと

在り続けてください

ー 痕書 ー

そう、これらは至ってシンプル

"触れるべきではない思想"

または

"詩想"

シニモノグルイ

シニタイスルシオモイ

シシフンジン

シソウウカベタシンデレラ

ウシシトワラウヨシュウキョウカタチ

形あるものいつかは消え失せ
この世に還元還元歓迎

しかし、誠に残念ながら
このこの思想は消えることなき
異様なまでの執念深さで
後世全てを呪って呪う
空中分解しながら漂う
紛れ紛れて他人の頭で
ウヨウヨ拡がりぶよぶよ重なり
そぉーっとシナプス弄くり回すよ
「こんにちは！こんにちは！これからも！よろしくね！」
一方的に押し付け笑うよ
無理矢理手を取り社交性皆無ダンスダンスデカダンスダンス

静寂

恭しく頭蓋(ｺｳﾍﾞ)を垂れて

御辞儀よまんせい！御御辞儀まんせい！

慢性的な中毒丁寧畜生丁寧中毒中毒

シリンダーの耳カァーッポジッテよぉーく聞けよ……

ほら

ほら

何も聞こえないだろう

ほら

ほら

何も

かもが

ほら

ほら

聞こえ

ないだろう

ほら

ほら

楽しい

騒音

嬉しい

騒音

苦しい

轟音

不埒な

雑言

ナンニモイラナイ

美詩(ｳﾂｸｼ)世界

小洒落たお化粧お洋服も取っ払って

感じるんだ……

感じ感じに感じるんだ……

ほーらほらほら見えてきた

楽しい世界が見えてきた

狂った世界が見えてきた

更なる美徳が見えてきた

浮き足立ってる心に蓋をし抑制抑制留めて溜めて

体育座りでポーっとしたなら

湧き上がってくるだろう……沸き上がってくるだろう…………

沸点到達そこから一気に-273℃！

“解放し爆発させろ”

「伝えたい想いはありますか？」

………………

悲しく天を仰いでも

そこには変わらぬ空と鳥

どんなに目をよく凝らして見ても

愛と呼ばれるモノはない

それでも信じて生きてゆくのは

本能的に愛を知るから

僕たちはいつだってその不確かなものに包まれながら生きてきた

気付かぬ内に種は蒔かれて

ここぞという時

糧となり

不遇の時にも密かに実り

健気に支えてくれていた

その灯(ﾄﾓｼﾋﾞ)の何たる偉大さ…………

僕は忘れない

人間の奥底に潜む強大な闇のそのまた奥の奥の奥奥奥底眠る

人間としての

何モノにもかえることのできない

圧倒的な

優しさを

僕はまだ信じたい

この世に絶対的な

愛はあると

“僕は全てを許したい”

だってこの世界は、こんなにも素晴らしいのだから………

ありがとう

さようなら

ありがとう

さようなら

…………………………

さぁ、この触れるべきではない思想

今の今から皆様方の足場となりバネとなり足枷となりながらも明日への希望の光に昇華し様々な良質な種を撒き散らすことでしょう

“カクゴハイイカニンゲン”

きっともう、人間じゃ、いられない

だけどそう、それこそが、人間

それでいて、尚、人間

崇高なる、人間

人間、人間、人間、人間

～さぁさぁ楽しい時間はお仕舞い～

根強く蔓延れ

人間

人間

マケルナマケルナ

人間

人間

この地球(ﾎｼ)が寛大な優しさで溢れますように

この地球(ﾎｼ)に無益な血が一滴も流れませんように

そうやって

祈るように

紡ぎ出した詩想世界の終わり

または始まり

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胚

さぁ、生まれ変わって生きていきましょう

何度だって生まれ変わって

何度だって生きていきましょう

“大空に笑いかけたらほら、世界が優しく、包み込んでくれるから”

fin.