観光地にできそうな場所を見つけてきたので紹介する
まずはこちらの写真をみて、そのポテンシャルを感じて欲しい。
なんと雄大な工場群であろうか。その下には昭和の街並みがしっかりとのこっており、そのギャップに心躍らされる人も多いだろう。こんなに魅力的な観光資源であるのに、一切の観光開発がされていなかった。
ここは、山口県美祢市にある「伊佐」という場所である。山口県の総合化学メーカーであるUBE(旧:宇部興産)の伊佐工場であり、2023年においても石灰石の産出が盛んにおこなわれている。
7/25(火)の夏の日、大学もバイトも休みだったために散歩をしてきた。
美祢市と言えば「秋吉台」「秋芳洞」が思い浮かぶと思うが、それとは少し離れた「美祢市街」を、あえて探索してみたのである。
1.美祢市:中心街
まずは美祢駅を散歩の基点とした。美祢駅には赤色のバスがとまっており、「あんもないと号」と名付けられているらしい。小さくて細長い、かわいらしバスである。
夏の入道雲と相まって、美しい風景をかもしだしているのだ。
美祢駅から徒歩3分もすれば、美祢駅前の歓楽街がある。多くのスナックが立ち並んでおり、どこかの住宅から賑やかな音楽も聞こえて来た。かつては「炭鉱の町」として栄えた美祢であるが、現在は「石灰岩・化石の街」としての文化的な側面を持っている。
このスナック群は、炭鉱夫たちが沢山住んでいた1970年代までの面影であろうか。現在の美祢市の人口は1万人ほどであるが、最盛期には4万人ほどの人口が住んでいたらしい。
美祢駅前の厚狭川(あさがわ)は、美しい水面の中で魚が泳いでいる。この写真はフィルターが架かっているので、その点はご容赦頂きたい。それでも、魚に限らず高校生たちも楽しそうに泳いでいる姿があった。
市街地の中心で高校生が泳いでいる都市がほかにあるだろうか。私にも気さくに話しかけてきて、人の温かさを感じるまちであった。
さらに、散策してみると思ったより学生の姿が多いのである。しらべてみると近くに美祢青嶺高校があるらしく、県内唯一の普通科・工業化が併設されているらしい。
2.美祢市:伊佐の街
美祢駅から1.5kmほど離れたところに伊佐の街がある。「UBE三菱セメント:美祢工場」と、「宇部マテリアルズ:美祢工場」の2つの工場群がつらなっている工業の街である。
ペプシの古い看板、昭和レトロなタバコ屋などがあり、かつての賑わいを想像させる。このまちに昭和レトロなホステルでもあれば、雰囲気バッチリすぎてやばそうなのに。
さらに付け加えると、美祢市は急激な人口減少により空き家が多くある。空き家のリノベーションやコンバージョンが流行りの今、この場所は観光開発にうってつけなのではないか。
いかがだったであろうか。
美祢市といえば、秋吉町にある「ジオパーク:秋吉台、秋芳洞」などの自然が目に入ってくるのだが、あえて美祢市に足を延ばしてみると、まるで観光開発がされていない、素晴らしい景色があった。
どうやらUBEは工場見学ツアーも行っているらしく、そことコラボすればまずまず面白い旅行日程が組めそうである。さらに美祢市の西側である豊田前町には、日本一の無煙炭として栄華を誇った「大峰炭田」の炭鉱跡がある。戦後復興期に繁栄し、「白黒テレビの普及が日本一早かったのは、大峰炭田の炭鉱夫が住む社宅だった」との逸話をもっている。
炭鉱の歴史がある町、石灰岩の街、化石浪漫の街、昭和レトロの街。このまちにはポテンシャルがありすぎる。ぜひ一度、美祢市へおいでませ。
別に私は美祢市に何のご縁もないのであるが。