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『野菜大王』と『文具大王』

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細かく投稿した小説をマガジンにしてみました。是非一話からお楽しみいただけると幸いです。もうすぐ最終回になります。
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2024年2月の記事一覧

『野菜大王』と『文具大王』第1章・大王の使者

『野菜大王』と『文具大王』第1章・大王の使者

野菜大王の使者

ママがお店の壁にポスターを貼った。
「ママ! それ何?」
康太が聞く
「これはね、パパとママがボランティアをしている[世界に学校を増やそう会]のポスターよ」
とママは言う。
[世界に学校を建てよう!]のキャッチコピーの下には鉛筆とノートを抱きしめて、それにキスをしている外国の少年がアップ写真で載っていた。
「学校なんか沢山あるのに」
「世界では色々な事情で学校を建てる事が出来ない

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『野菜大王』と『文具大王』第2章・文具大王に摑まった少年

『野菜大王』と『文具大王』第2章・文具大王に摑まった少年

文具大王につかまった少年

第1章大王の使者あらすじ
康太はピーマンが嫌いでいつも人の目を盗んでは捨てていた。そんなある日の夜不気味な音楽と共にピーマンの化け物の連帯が「野菜大王」と連呼し康太は囚われの身になってしまう。地球から遠く離れた大王の星の牢獄で康太はひとりぼっちで泣いていた。

文具大王につかまった少年 
康太は独りぼっちの不安と恐怖でどのくらいの時間泣いていたか覚えていなかった。ただ、

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『野菜大王』と『文具大王』第3章・大王裁判

『野菜大王』と『文具大王』第3章・大王裁判

大王裁判

前章までのあらすじ
ピーマンが嫌いな康太はこっそり捨てて誤魔化していた。ある晩野菜大王の使者と名乗る化け物の隊列に囚われ見知らぬ星の牢屋に入れられてしまった。独りぼっちの康太の牢屋にひとりの少年が囚われて来る。鉛筆を万引きし文具大王の使者に摑まったのである。少年の名はネロ、カンボジアの少年であった。
 康太はネロの故郷の貧困さを知り絶句、寂しさをかばい合う二人は友達になった。そして、大

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