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巣居けけ
2021年7月15日 08:03
世間はいつだって、偏見で満ちている。たとえばそれは、警察官が行う事情聴取も同じだった。 生命の香りが無い狭い空間に、個室トイレにも匹敵するほどに狭いその空間には、中央に灰色の机と、それを両方から挟むように冷たいパイプ椅子があった。窓は無く、天井には円形の照明が張り付いていた。 その空間に存在している人間は三人。そのうちの二人は、二つあるパイプ椅子にそれぞれ腰掛けている古ぼけたスーツを着ている