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「非戦」という名の平和主義が間違いである理由とは?
「非戦」を唱える意識高い系の人々
東京新聞による西谷修東京外国語大名誉教授のインタビューが、ちょっとした話題になっている。
彼曰く、
「戦争は当事国によって必ず正当化される。第2次世界大戦後の国連体制で戦争は原則禁止とされたが、世界の秩序を守るためとして『自衛のための戦争』は例外とされた。あらゆる戦争は自衛の名の下に起こってきた。どんな戦争も正当化させてはいけない。戦争をとにかく止める『非戦』が現代に生きる人間の基本姿勢でなくてはいけない」
らしい。
つまり、とにかく双方ともに矛を納めて、一刻も早く戦争を終わらせ、話し合いで解決しろと大上段に、偉そうに言ってるのだ。
ここで彼は最初にウクライナに侵攻したロシアの目的やプーチンの歴史認識を傍に置いて、とにかく戦争をやめろと日和見な発言をしている。
歴史学者でもなければ国際政治の専門家でもなく、哲学者という立場だと、哲学しないで「戦争をやめろ」という発言だけしてれば通用するのだろうか?およそ学者サマの発言として説得力に欠ける発言ではないだろうか?
ともあれ、高名な学者サマの発言として、一つの考え方として受け止めるとして、この日和見な意識高い系の発言は、日本国内の多くの自称リベラルに見られる言説をなぞっていると言える。
ロシアのウクライナ侵攻直後、社民党の福島みずほ党首は、立憲民主党と共産党と行った街頭演説で、厳しくロシア批判を繰り返した。その発言の中にあって、ロシアの侵攻を非難しながら日本が戦争に参加しない為にも憲法9条を改正してはならないと、どうしてそこが結びつくのかよく分からない主張を繰り返した。本来であれば、憲法9条がそれほど戦争抑止の効果があるなら、プーチンに今すぐ戦争をやめて憲法9条を制定しろと主張すればいいものを、何故か、日本の憲法9条を改正するなという論調にすり替わっている。
また、昨年5月に『日曜討論』に出演した際、日本共産党の小池晃氏は、
「徹底した対話で東南アジアを平和と協力の地域につくりかえてきたASEAN(東南アジア諸国連合)の経験を紹介し、「地域のすべての国を包摂するような集団的安全保障の枠組みをつくっていくことが、ヨーロッパの教訓を生かす道だ」と主張しました」
と、自らのサイトで取り上げている。
また、
「プーチン・ロシア大統領のような核先制使用をためらわない核大国の指導者が出てきたもとで核抑止力論は無力になっていると述べ、核なき世界をめざすために日本政府は核兵器禁止条約に参加する決断をすべきだと主張しました」
2015年の安保法制後は、敵国が先制攻撃の動きがあれば敵基地攻撃が容認され、相手国からしてみれば先制攻撃を仕掛けられたと取られるから、日本は攻撃されるまで何もするなという意味合いの発言を行っている。
そして、プーチンのように核攻撃も辞さずという指導者が出た以上、日本は核兵器禁止条約に参加すべきだと言うのだ。つまり、仮に核による攻撃を受けても、日本は核兵器に反対して撃たれておけ、と言ってるのである。
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