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短歌を語ろう#1【Last Night オンラインバーvol.32】

〈CafeBarDonna vol.32〉

今回は、武田ひかさんにお声かけをして、短歌の魅力についてお話していただきました。想像以上にファニーで、ロマンティックな会となりました。

【Members】

【Letter】

「まいにち短歌」と題して、日々こころに残る短歌を紹介している武田ひかさん。ご自身でも短歌を詠まれています。ぼくの主催する「教養のエチュード賞」でも短歌の作品を応募してくださいました。

こちらの作品はもちろんのこと、SNSでの振る舞いを見ていて、「ひかさんのお話しする短歌って楽しそうだなぁ」と感じたことが、今回の会が実現するきっかけでした。背筋をぴんっと伸ばして無理をしている様子もなく、呼吸するようにライフスタイルに短歌が融け込んでいる。自然でいて、楽しそう。

はじまりはひかさんの短歌との出会い。そして、どのようにしてその世界に惹き込まれていったのかということについてお伺いしました。興味深い点は、現代短歌を読んだ時に「こんな世界があるんだ」という衝撃を受けたことだと仰っていたこと。そう、たった31文字に、新しい世界と可能性を発見したのです。

そこから、ひかさんのおすすめする短歌作品を紹介していただきました。参加者は、ぼくを含めて短歌初心者です。教科書に載っている「和歌」のイメージしかなかったぼくたちにとって、短歌の自由さと、光景の広がりにあっという間にこころを掴まれました。

「構えなくってもいいんだ」

そう、短歌は身近なモノ。生活に融け込んでいる「自然な状態」や、浮き出した「不自然な状態」を切り取り、ことばを紡いでいけばいい。モノの見方、表現の幅、ことばの楽しさを味わう遊び。楽しそうに解説してくれるひかさんにつられて、ぼくたちのこころも軽やかに、うきうきしてきます。

「短歌は現代のTwitter」

仲さんが言いました。140字という字数制限の中でいかに日常を表現するか。または、返歌のごとく引用リツイートをしてみたり。大喜利的なアプローチで、コミュニケーションが華やいでいく。字数制限があるからこそ、クリエイティビティが刺激される。より遠くまで発想を飛ばすことができる。

「短歌とHipHop」

5・7・5・7・7のリズムに乗せて詠むことばは、律動に合わせてことばを紡ぐラップと似ています。韻を踏んだり、サンプリング(誰かの有名なパンチラインを引用したり)、ことば遊びをしたり。曲の中でMCが順々にラップをしていくことも、歌人が歌を詠み合う姿と重なります。こんちゃんとそんな話で盛り上がりました。

シンガーソングライターの南えりこさんは「歌詞をつくるアプローチとも似ている」と仰いました。そのままの表現を避けて、いかに受け手に汲み取ってもらえるかを考える。音に乗せるという意味でも似ています。

好きな短歌について語り合う時間はとても楽しく。

同じ短歌でも、それぞれによって解釈が違う。己の中での広がり方は異なるんです。「自分はこう思った」「わたしはこう思った」「あ、そういう見方もあるんだ」、と。ちぃころさんの好きな短歌の受け取り方は豊潤で、いつまでも聴いていたい気持ちになりました。そこから互いに感想を語り合い、理解や関心が深まっていく(問十二やレゴの歌、楽しかったです!)。

ふと気付けば、チャットで深澤さんが人生初の短歌を詠んでいて。そのスピード感にも驚かされました。やっぱり、ここに集まる人は「ことばの好きな人」だから。相手の話を聴きながらも、頭の中でことばのパズルを考えている。とても素敵なコミュニケーションですよね。

シンプルに「短歌の魅力を聴きたいな」と思って開いた会ですが、ここに集まったメンバーと感想を言い合ったり、解釈を共有したり、素敵な短歌をピックアップしたり。豊かなコミュニケーションが生まれて、とても楽しかったです。

NZ在住のサトウカエデさんは参加予定でしたが、時差の関係で断念。「好きな短歌をDMでください。もし良ければ感想を二言三言添えていただけるとありがたいです」とお伝えすると、長文の感想が届きました。滋味深く、甘美な手紙。そう、「短歌を語る」ということは「ロマンティックな気分になれる」ということなんです。

「あぁ、短歌を語り合っているとロマンティックな気分になりますね」とため息交じりに言うと、仲さんが「いや、もともとロマンティックな人しかこの会には来ないでしょう」とごもっともな返答。うん、素敵だ。

このような空気をしつらえてくれた武田ひかさん、こころより感謝しています。ぼくも短歌をはじめようと思います。

そして、そして、参加者のみなさんも次々と短歌をおつくりになっていて。ぼくはこころの底からうれしかったのでした。みなさん、どうもありがとうございます。




「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。