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『ロバート・ツルッパゲとの対話』

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写真家ワタナベアニさんの著書『ロバート・ツルッパゲとの対話』の感想を編んだマガジンです。 『ロバートとベートーヴェンとの対話』を運営するサークルがピックアップしております。担当は… もっと読む
運営しているクリエイター

#推薦図書

「自分じゃなければ」を積み重ねよう

実に斬新です。 ↓が文庫ランキング3位に入る店はここだけでしょう。私も2年前に単行本を青山ブックセンターで購入し、2回読みました。公のために必要な名著に光を当て、なおかつ利益を生み出せる点が素晴らしい。数字が正義ではありませんが、それでも商売は売ってナンボです。 総合年間ランキング4位、ビジネス書ランキング2位の↓も、青山ブックセンターで存在を知り、衝動買いしました。私が定点観測している大型書店ではいい場所に置かれていません。こういう本を見出し、紹介し、ロングセラーにして

読んでいる“わたし”との「対話」をうながす 『ロバート・ツルッパゲとの対話』 #287

「すぐ役に立つことは、すぐ役に立たなくなる」 一年前に「ありがたやー」と覚えたTipsのうち、いまも役立っている、活用しているものってどれくらいあるのだろうと思います。特に、自宅で仕事をする人が増えた現在、重要度の高いTipsは様変わりしていますが、再び街に出られるようになった時には、また変わるかもしれない。 難しいことをカンタンに説明するハウツー本はたくさん出版されていますし、そうした本のお世話になったこともありますが、コピーライターの谷山雅計さんは「世の中、分かりやす

夢と現をつなぐ列車の中で。

金沢へ向かう車両の中で。 次から次へと、締切が訪れ、綱渡りのような生活。火照る前頭葉と細切れの睡眠。黒豆大福にブラックコーヒー。鞄にしのばせた『ロバート・ツルッパゲとの対話』。雨が降ってきた。頁をめくる。ロバートとの対話は楽しい。 ロバートは不思議だ。彼の言葉は、戦争を体験した人間のそれと似ている。それも敗戦を知る者の佇まい。強く信じていたものを丸ごとひっくり返された経験がある人間は強い。「自分」の外側に答えを求めないからだ。「二度とその轍を踏まない」という冷酷な強さがあ

ロバート氏とヨリムキ女

「アマゾンでポチッたほうが、早いっすよ」 それは、その通りだろう。けれど、本を取り寄せたいとたずねた書店員さんにそう言われてしまったのは、少なからずショックだった。 「うちで取り寄せるとなると、うーん、一か月くらいはかかるかもしれないんですけど」そう前置きをしたのち、書店員さんはアマゾンでの購入をおすすめしてくれたのだ。 書店員さんは、店舗や系列店の在庫を調べたうえ、さらにトーハン(書店に配本している会社)取扱いカタログみたいなものを調べたうえで「アマゾン」の名を出した

本棚を晒す

本棚って、いいよね?ぼくは、本棚というものが大好きです。その人が知ろうとしてきたことの蓄積であり、生きた軌跡を表すものでもあると思うからです。ある種のアルバムに近いものでしょうか。だから、他人の本棚って、見てみたいけど、見るのはちょっとムズがゆい。そして自分の本棚を見られることって、ムズがゆい。でも、ぼくがどのようなことを考えていて、「ぼくはこういうにんげんだ!」ということを伝える一端を担えると思うし、こんな僕の本棚に興味をもってくれる人もいるんじゃないだろうか?ってことで、

いつも私がツイートしかけて削除するような内容で笑う。これを紙書籍にできる表現力に圧倒されました。 一緒に読んで楽しみたい友人の顔が浮かんだ。同時に読んでもらいたいと切に願う知人の顔も。後者は勧めてもきっと読まないな。でもこの強烈なツルッパゲの表紙で飾り棚には置いてくれるかもね。