群青

書きたいことが何も思いつかないから
思いついたことを書いてもいいかい
たいそれたことは何も言えないし
誰かにアドバイスができるほどの経験もない
あるのは命とポッケの中の500円玉ぐらい
毎日文章を書くのに疲れているよ
今日は書くネタが思いつかない
アイスコーヒーを片手にPCを開いて
SNSをスクロールしているだけで時間が過ぎる
また時間を溶かしたなんて反省のない毎日

人の顔色を伺うなんて誰のための人生？
生きる意味を見いだせなくて
そんなもん必要ないよと声がして
それでも何かに縋りたくて
ずっとここまでやってきた
何者かになりたくてなれなくて
つい自分が誰なのかもわからなくなる
空の上の方にある月を見ながら
今夜は月が綺麗だよが軽率に言えなくなって
それを全部漱石のせいにする弱い君
ラブソングに自分を重ねて
今日も可愛い私を演じてる
それがやめられなくてずっと悲劇のヒロイン

ありがとうとかごめんなさいとか
減るものでもないんだからって
みたいな感じて迫るけだものは誰？
自分の欲を満たすために
他人の気持ちは慮らない
「またね」と嘘を突き通して
「さよなら」がずっと言えなくて
滑稽is滑稽の繰り返しの毎日
自分のことぐらいは大切にしたいのに
今日も誰かを優先している
回りまわって自分のためになるだなんて
まずは自分を満たしてから言いたいよ

いまの気分はなんだろうな？
って簡単に説明できちゃうのであれば
それは満たされていないサインかも
欲望はずっと尽きなくて
飽きるまでは満たされたい
飽きたらすぐさまゴミ箱にポイ
まるでなかったかのようにして
エンドロールにすら載せないよ
脇役にもなれない君は所詮エトセトラ

いつの間にか幸せを取りこぼしている君へ
人生なんて自己満足の連続で
自己満足の基準すらもわからなくなって
まずは自分の足元をごらんよって
あれ？それって僕の話？
幸せが何かわからなくなって
不幸が何かもわからない
死ぬこと以外はかすり傷だなんて
気軽に言えちゃう浅ましさ
死ぬ気で頑張ったとしても
死んだら骨すら残らない
消えない傷跡に消したい爪痕
忘れたくても忘れられない感情を
いつかは全部忘れてしまうのかな

こんなはずじゃなかったばかりが起きて
起こることは起こるべくして起こって
因果関係に気がつけなくなったらおしまい
ってそもそもはじまりってなんだっけ？
はじまってもないのにおわらない
おわりははじまりではじまりはおわりで
君が僕といたあの日々も
いつかなかったことにすらされて
大人になった気になって
体力や味覚、視覚、五感のすべてが
ただ衰えていっただけ

あの日交わした約束はなんだっけ？
もうそれすらもわからなくなって
叶うはずのない祈りばかり捧げている
現実と理想を行ったり来たり
絶望と希望を行ったり来たり
悲しみのどん底の淵でこんにちは
眩しい笑顔の裏にあるさようなら
どこかに置いてきた、群青
ところで、君は誰？