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普通の家庭に、生まれたかった

「普通の家庭に生まれることができれば、どれほど幸せだっただろうか」と学生時代はずっと考えていた。

これまでの人生を大まかに振り返ると、楽しいことよりもきついことの方が多かったような気がする。

僕が学生だった頃は、周りの友人が遊んでいる間もずっと労働を続け、やりたいことも泣く泣く諦めてばかりだった。

裕福じゃなくてもいいから、普通の家族の形を保ってほしい。家に帰ればちゃんとご飯があって、家族団らんな日々を過ごす。それほど多くは求めていない。来週のご飯を食べられるかどうかに悩まなくていい。願っていたのはその程度の当たり前だ。でも、世間一般の家庭が、僕にはなかった。

普通の家族の形であれば、奨学金を生活費の足しにせず、ちゃんと学費として使うことができる。そうすれば、どこにでもいるただの大学生として過ごせていたはずだ。間違ってもじぶんたちの生活費にはならないだろう。そして、生活費のためにバイトをするのではなく、小遣い稼ぎにバイトをする。じぶんのために使うお金が少しばかりあれば、それで幸せだったはずだ。

「学生のうちにしかできないことがたくさんある」と、就活の際に、人事の方に言われたことをふと思い出す。学生のうちにしかできないことは、仕事のことを考えずに、深夜まで公園で友達と話したり、車で夜景を見に行ったり、旅行に行ったりすることだよね。

いま挙げたものは、社会人になってからもできるけれど、社会人は時間があまりない。もしじぶんに時間があったとしても、周りが同じように時間があるとは限らない。大学生であれば、長期休みがあるし、まとまった休日を簡単に取れるため、遊びも旅行も予定を組みやすいし、仕事のことなんて考える必要がない。

学生時代に戻りたいかと問われれば、迷いなく「NO」と答える。でも、あのときの経験がいまのじぶんを形成しているし、学生の我慢期間に、お金の大切さとお金を稼ぐ難しさ、家族の大切さを学ぶことができた。

歳を重ねるに連れて、いいことの割合が増えているような気がする。学生時代よりも友達が増えたし、大切にしたい人も増えた。人生でいまが1番楽しいし、生まれてきて本当によかったと思っている。

過去に苦労してきたから、じぶんの家族にはそんな思いはさせないと思えるし、底を知ったからこそ、人にやさしくもできる。そして、いまはじぶんの好きな文章を書いて生計を立てることができているし、新しいことにどんどん挑戦できているのも本当にありがたい。

だから、この人生も捨てたもんじゃないし、また生まれ変わったとしても、僕は迷うことなく、いまの人生を選ぶし、同じ家族を選ぶ。もし普通の家庭に生まれていれば、独立はおろか文章を書くこともなかっただろうし、独立の選択肢すらないまま、一生を終えていたにちがいない。

これからも大切なものを守るために、お金を稼ぐ。困っている人がいれば、無条件で手を差し伸べられる人間になりたい。ネガティブな過去は、じぶんの原動力に変えて、よりより未来のために、時間と労力を投資する。

そして、もし家族ができたときに、奥さんと子どもに好きなことをさせてあげたい。人は守るものがあれば、強くなれるから、どんどん背負って、愛する人のためにどんどん強くなっていきたいものだ。

じぶんが学生時代にずっと描き続けていた家族像を、今度はじぶんの手で掴み取ってみせるよ。

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