見出し画像

忙しさという麻薬に溺れていた

僕はなにかとスケジュールを埋めようと必死だった。

忙しさは自分を忘れさせてくれる。それはまるで麻薬みたいなもんで、自分のことを考える機会を奪う行為になった。

そうだ。忙しさという麻薬に溺れ、喪失感を埋めていたのだ。

自分と向き合いたくないからスケジュールを埋める。自分を忙しくすることで、自分と向き合わない時間を作る。

この癖が付いたのは高校生のときだ。僕は学生時代に母が癌となり、21歳の頃に母を亡くししている。もうわかったよって思う人もいるかもしれない、でも僕の人生の転機は、確実に母の死だ。でも幸いなことに僕には父や姉がいたから、不幸せということではない。

母が癌になったから病院代や生活費が必要となり、その費用を稼ぐために、ずっと働いていた。お金を稼ぐために働くことで、考える時間をなくしていた。忙しい時間だけは母のことを考えずに済んだ。

周りが遊んでいる間も働く。自分も遊びたいと思いながらも、働くという選択をすることで、忙しくすることで、その思いをかき消していた。

自分の思いをかき消すことで仕方ないよなって諦める。そうすることでしか自分を保てなかった。

忙しさは嫌なことを全部忘れさせてくれる。「自分と向き合わずに自分の悩みが解消することはない」と知っていたにも関わらず、そこから逃げることを選んだ。忙しくすることで自分から逃げていた。

いつの日か嫌なことを考えないようにするために、「スケジュールを埋めてしまう」という思考回路になってしまっていた。

忙しければ嫌なことを考えなくて済む。暇な時間があるから考えてしまう。それならば考える時間をなくしてしまおう。

そこから僕はスケジュールを埋めることに必死になった。そして、高校生の頃に、時間をかければある程度のことをできるということも知った。

高校生の頃、僕はアルバイトと勉強を両立させていた。勉強も自分なりの勉強法を編みだしたりして、クラスでもトップ3に入るぐらいには優秀だった。

時間をかけて勉強すればある程度は理解できる。だから時間をかけて勉強をした。そうすることで自分と向き合わないようにした。

将来の夢はなんですか?

知るか。将来についてなんて考えたくなかった。考えても良い未来を期待できない。どうせ自分の家にはお金がないからやりたいことを言っても叶わないのがオチ。だから考える時間が無駄だって本気で思っていた。

大学生になり、あいも変わらずアルバイトばかりしていた。時間が空くのが嫌で、ずっと働いていた。もしくは誰かと一緒にいることで、1人の時間を作らなかった。

社会人になってからは、会社員をしながら、副業としてブログを始めた。10時前に出勤して、13時ごろにお昼を食べてすぐさま残り時間をブログに充てる。そして仕事が終わり、帰宅後また深夜2時ごろまでブログを書く。もしくはブログについて調べる毎日。

ブログに時間をかけることで、新卒程度の収入を得られるようになった。やっぱり時間をかけてやることに間違いはなかった。時間をかければある程度のことは解決してしまう。

だから僕は時間をかけて物事に取り組むことで、結果を出していった。

そして負けたくなかった。今となってはなにに負けたくなかったのかはわからない。もしかしたら自分に負けたくなかっただけかもしれないね。

僕は凡人だから数を打つことでしか、勝負の世界に立つことができない。だから毎日文章を書く。文章を世に出し続けることで、自分の存在意義を守っていた。

そしてときに絶望しながら、前を向くために必死になる。そのために忙しさという麻薬に手を出す。

今でも暇さえあれば仕事を入れてしまう。仕事をしている時間は嫌なことを考えなくても良い。そうすることで、逃げることに慣れてしまっていた。自分と向き合わなきゃいけないことはわかってた。だからあえて逃げる選択を選ぶ。

向き合いたくなかった。孤独になりたくなかった。

自分にはなにもないと認めたくなかった。認めてしまえば全部を否定されたような気がしたから、手足を動かすことで、少しでも喪失感から逃げようとしていた。

自分から逃れるために、忙しさという麻薬に手を出す。「休んだ方がいいよ」って言われても休めない。休めば全てが止まるかもしれないと考えると休む勇気すら湧いてこない。だからいくら休もうと考えても休めなかった。

結果を出したければ時間を割けば良い。時間をかけることで少しずつ結果に結びつけることがるできるから。僕から今文章という仕事を取り上げたら、なんにもなくなる。それは嫌だから、今日も今日とて休まずに手を動かす。

いつの日か忙しさという麻薬から抜け出せる日が来るのかもしれない。

そんな日が来るのかな。もしかしたら来ないかもしれない。でも僕にできることは手足を動かし続けることだけだ。

できないことしかできない。そいつに命を注ぎ込むように熱中しよう。

ありがとうございます٩( 'ω' )و活動資金に充てさせて頂きます!あなたに良いことがありますように!