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春の期待に、胸を膨らませて

桜が咲いた。そして、散った。

僕らは出会った。そして、別れた。

出会った時からいつかやってくる「さよなら」を育んでいたかのように僕らは出会う。

2人で育てた「さよなら」はいつの日か大きな悲しみになってしまった。


必然だった終わりはなにかの始まりの示唆で、終わりゆくカウントダウンなのかもしれない。

僕らは誰かとまた出会い、またしても「さよなら」を育んでしまう。

終わりがくると分かっているのに、なにかに期待して、また傷ついてということをあいも変わらず繰り返している。


「さよなら」という言葉が嫌いだと君は言った。

君の意見には同意で、僕も「さよなら」が嫌いだ。

出会ったらもう「さよなら」なんてしたくないというのが本音。

それでもいつか「さよなら」はやってくる。

お別れの季節に咲いた花。

迫り来る悲しみに打ちひしがれながらも、ほんの少しの期待に胸を膨らませるそんな春をお知らせします。

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