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「涙もろい」ってのは悪ですか?

いい意味でも悪い意味でも、すぐに涙を流してしまう節がある。感動する映画を見たときは、すぐに泣いてしまうし、結婚式なんて誰よりも先に泣いてしまう。新郎新婦の親への感謝の気持ちを聞いたときには、もうだめだ。親よりも泣いてしまって、友人に引かれたこともある。

ドラマや映画は、一連の流れを知らずに、最終回だけを見たとしても、感情移入の度合いは変わらない。感動的なシーンでは必ず泣いてしまうし、嗚咽を漏らして泣いてしまうことだってある。泣いている理由はもはやわからないんだけど、なぜか涙が零れてしまうんだよ。

「すぐに感情移入してしんどくない?」と、友人に聞かれたことがある。しんどいかしんどくないかは、正直なところ答えづらいってのが答えだ。そんなことはとりあえず置いといて、変えられないのだから仕方ないとは思っている。だから、自分の特性をちゃんと理解しなければならない。そして、涙もろい自分と一生付き合っていかなければならないってことも、重々理解しているつもりだ。

今ではすっかり涙もろくなってしまった自分も、昔は全然泣けなかった。何を見ても、何をしても感動なんてしない。むしろドラマや映画はしょせん作り物だと思っていたし、泣いている人の気持ちも意味も理解できなかった。涙を流す理由の理解ができないから、ついひどい言葉を吐いたこともあるし、誰かを悲しみの淵に追いやってしまったこともある。今思えば、本当に最低だなって思う。

そんな自分が感情を取り戻したのは、「母の死」がきっかけだ。21歳の頃に母をガンで亡くし、自分の中の糸がポツリと切れてしまった。母の生前は母が喜ぶ姿を見るために、頑張っていたのかもしれない。人前で泣いたらダメだと思っていたし、弱音を吐いてはいけないと本気で思ってた。

だから誰にも頼れなかったし、潰れてから手を差し伸べてもらうことの方が多かった。涙を流すことを許可できなかった当時の自分は、母が亡くなった当日に、嗚咽を漏らしながら泣いてしまった。

母が亡くなったあの日から感情を取り戻したのか、涙を流すハードルがぐんと下がり、些細なことでも泣くようになった。もしかしたら自分の中で、昔よりも涙の価値が下がってしまったのかもしれないし、昔よりも強がりが下手くそになってしまったのかもしれないね。推論をいろいろ並べてみたものの、真意はわからない。でも、涙もろくなったことは確かなことだ。

涙を流してしまう回数が、昔よりもウンと増えた。これがいいことなのか悪いことなのかは、自分でもちょっとよくわからない。とはいえ、泣きたいときに泣けないときもあるし、泣いたらいけないときに泣いてしまう節もある。ひとつわかることは、昔よりも涙をコントロールできなくなったってこと。

人の痛みに気づけるようになったのも事実。そして、昔よりも優しくなったねと言われることも増えた。でも涙を流すことに悪意を持ってしまう人だっているのも確かだ。

それではみなさん最後にひとつだけ教えてください。

「涙もろい」ってのは悪ですか?

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