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現地に行くからこそ見えるもの-マカオ・香港旅-

今年の年始はマカオ・香港へ旅行した。
4年ぶりの海外旅行だ。
ここ2,3年は国内旅行で満足していたが、周りでも海外旅行に行く人が増えてきて自分も行きたくなった。

行き先はどこでもよかったが、あまり遠すぎず、でも異国の文化を存分に感じられるような場所がよかった。
マカオ・香港ーそこは日本から直行便で4時間ほどだが、東洋と西洋の文化が交わるところ。また私の好きな沢木耕太郎さんの「深夜特急」でもバックパッカーとして初めに訪れる場所だ。ー久しぶりに旅を始めるには、そこがうってつけのような気がして、4ヶ月も前から航空券とホテルを予約した。

随分久しぶりの国際線搭乗口
香港国際空港からまずは直接バスでマカオへ入国する


空港から出て、最初の宿泊地であるマカオ半島にタクシーで向かう間、道路の両側にそびえ立つマンション・ビル群に圧倒される。工事中の建物も多くあり、経済が、人々の暮らしが日々大きく動いているのを感じる。


マカオの経済の中心は観光だ。GDPの約4割から5割を観光及びカジノ産業を占める。地元の多くの生活がそういった産業に支えられているのだろう。街中を出歩くと、いたるところにカジノ場やホテルが見当たる。

カジノ・リスボア
「深夜特急」でも登場する老舗のカジノ


グランドリスボアホテル
こちらもカジノ併設の高級ホテルでその存在感をいたるところで感じる


マカオではまず世界遺産にも登録されている歴史市街地区を訪れた。モザイク状の石畳や教会群などポルトガル統治時代の街並みが色濃く残る。

聖ポール天主堂跡。
火災の影響で教会のファザード(正面部分)のみが残っている
こちらの存在感もカジノ場に負けていない


一方、少し路地に入ると、道路に面して部屋ごとに室外機が露わになった集合住宅が立ち並ぶアジアらしい通りに出る。
観光案内で紹介されるような西洋の街並みだけでなく、東洋の街並みと合わせて両方の文化がモザイク状に連なっている。

マカオで毎朝食べたエッグタルト


マカオで2日間滞在した後、フェリーに乗って香港に向かう。マカオから香港へはフェリーで1時間ほどだ。


その後メトロを乗り継いで向かったのは、香港のメインストリート、ネイザンロード(彌敦道)だ。

ネイザンロードでは、20℃に迫る暖かい昼の光が降り注ぎ、スモーキーな香港の空気が一層まばゆく見えた。
いつもと違う土地に行くと空気がかわるとよくいうが、香港では2ブロック先の建物が既に霞んで見える。



香港での初めての食事は町の大衆食堂のようなお店で食べた。
お昼時ということもあり、地元の家族や工事現場で働いているような人たちでいっぱいになった。
ちなみに翌朝、同じ食堂の前を通りかかると休日の早朝にもかかわらず、人でいっぱいだった。香港では家であまり料理をせず外で済ますことが一般的らしい。

食事を食べたあと、周りの人がアイスミルクコーヒーを美味しそうに飲んでいるのを見て、自分も思わず注文してみた。
香港ではコーヒーを頼むと、基本的にはミルクが既に入れられた状態のコーヒーが提供される。
普段はブラック派の私にとって、最初はミルクがない方がいいと思ったが、濃厚でスパイシーな中華料理を食べたあとは、ミルクのクリーミーさとの絶妙なバランスがクセになる。
また同じ時期の日本に比べて暖かい気温のなか歩いてきた身体を、アイスの冷たさがスッキリ潤してくれる。
その土地その土地で口にするものは、その土地で親しまれている方法で口にするのが最も美味しい。そこで食事をするにあたっては、その土地の醸し出す要素のひとつひとつが一番のスパイスになのだからだろう。



香港旅で必須のオクトパスカード
乗り物だけでなくお買い物でも使える



早起きしてランニングもした
重慶大廈(チョンキンマンション)


旅の締めに、ユーラシア大陸側の九龍半島と香港島を結ぶスターフェリー(天星小輪)に乗った。
九龍半島と香港島を行き来するだけならメトロですぐだが、眼前に迫るビル群を眺めて、開放された客席で海風を感じながら、あえて時間をかけてヴィクトリア・ハーバーを渡るのは、何となく贅沢な気分だ。


久しぶりの海外旅行で知らない土地を移動して、見て、味わい、実際に身を置くからこそ知る空気感をたくさん感じることができた。
もう次の旅行の予定を立て始めている。


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