見出し画像

祝祭がもたらす熱量-青森ねぶた祭へ-

この夏は、東北地方に夏祭りめぐりをすることにした。
なかでも一番の目的は、青森県の青森ねぶた祭だ。


新青森駅で出迎えてくれるねぶた
全部りんごジュースの自動販売機
よく見るとそれぞれりんごの銘柄がちがう
シードル(りんご酒)


8月3日木曜日の15時頃、ねぶた祭会場に到着。
青森ねぶた祭は、毎年8月2日~7日の会期で開催される。
この日は子どもねぶたと大型ねぶたあわせて25台ほどが順に運行する。

街には既に屋台が立ち並び、ねぶたと踊り歩く跳人(はねと)姿の人たちも見える。
ねぶた祭の会場の雰囲気を目にして、気持ちが高揚してくる。

跳人(はねと)


とはいえ、時刻は平日の昼間だけあって、街中の人影はまだまばら。
青森ねぶた祭といえども、平日はそこまで混雑することはないのか。このときはのんびり考えて、ねぶた祭が始まる時間まで、お店で食事をしてゆっくりすることにした。

居酒屋さんでご当地の食を堪能しながら、祭りのときを待つ。




お腹も満たされて、ねぶた巡行開始少し前の19時前に通りに出てみた。

青森の空が朱く染まり始めるとともに、先ほどまでとはうってかわって、ねぶたと跳人たち、そしてお祭りを観覧する人々が道路に溢れていた。


待っていた場所がちょうどねぶた運行のスタート地点の近くだったこともあり、祭りの開始を今か今かと待つ会場の熱気が盛り上がっていく。


そしてねぶたを先導する人のかけ声を合図に、ラッセラーラッセラーの大合唱が湧きおこり、ねぶた囃子の軽快なリズムに合わせてねぶたが進んでいく。
遂に青森ねぶた祭が始まったのだ。

はじめて聞くかけ声と音楽だったが、その場にいるだけで鼓動が高鳴る。


青森ねぶた祭も、他の多くの行事と同様、4年ぶりの通常開催だけあって、制限なく歓声をあげることができるこの瞬間を、地元のみんなが待ちわびていたのだ。


ねぶたを囲む観衆のかけ声と、太鼓や笛などの音色が、地鳴りのように会場に、そしてそこにいる人たちの身体に響く。
まるで青森の大地と一体となって生み出されたエネルギーに芯から震わされているようだった。


1時間ほどの間、次から次へとねぶたが現れ、規律正しく交差点の真ん中で大回転し、さまざまに彩られた絵柄を360°惜しみなく見せてくれる。そのパフォーマンスに釘付けだった。


一年に1度、みなが一つのことをめざして集まることで、大きな熱量が生み出される祝祭のもつ尊さを感じた。

一方でその熱量が発揮されるのは、ねぶた制作者や運行に携わる人をはじめとした、祭に関わる方たちの、この日のために行われる日々の地道な活動があるからこそだろう。

今回初めて知ったのは、運行に参加している多くの団体が、企業の社員や県庁・自衛隊などの役所の職員を中心に構成されているチームだということだ。
普段は本業を行いながら、ねぶた制作や囃子の練習を積み重ねてきた方たちがいることで、ねぶたの文化や技術が地域に伝承され、こうして毎年披露されてきたのだろうかと思いを馳せる。


青森県では、青森市で開催される青森ねぶた祭のほかにも、弘前ねぷたまつりや五所川原立佞武多祭りなど、夏になると各地でお祭りが開催される。
それぞれかけ声やねぶたの形もちがった特徴があり、他のねぶた祭りにも行ってみたい。

また外のお祭りを見ることで、普段はあえて行くこともなくなってしまった地元のお祭りのよさも改めて感じてみたくなった。


青森ねぶた祭の余韻に浸りながら、次は秋田竿燈まつりをめざして、秋田県秋田市に向かう。


Youtubeに動画もアップしてます。



●Instagram
https://www.instagram.com/ryosuke_grapher/
●Twitter
https://twitter.com/ryosukegraphy

この記事が参加している募集

旅のフォトアルバム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?