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観光・ツーリズムのこれから

今年度、茨城県のまちづくりプロジェクトにメンターとしてお世話になっています。「祝」「空」「旅(ツーリズム)」の3つのテーマにそれぞれチームをつくり、そこにメンターがつくという仕掛けなんですが、メンターがなかなかお会いできないような、今をときめく豪華面々。

地方創生の歴史において数々の結果を残す古田秘馬さんに、ブライダル業界に革命起こし続けまくってる山川咲さん。プロ中のプロが茨城の魅力を上げるべく、参加しています。

一方僕は、つい1年前まで、ただの電通サラリーマン(ちょっとキャリアパスが違った、ってくらい)で、ツーリズムという、第三次産業の王道、とんでもないビッグマーケットの、正直ど素人なんです。観光について学んだことなんかないんです。


ちょっと人より多く海外を見ていて、ちょっとHafHっていうサービスを提供していて、ちょっとつくばに住んでいた、くらいで、茨城県のことをよくよく知っているかというと、お隣・土浦市がギリくらい。あとこれ。

茨城の春は、ネモフィラを見る人たちを見にいくのも楽しいよ〜

「それでいいんです!」くらいの事務局の無茶ぶりに乗せられて、茨城のツーリズムの未来をちょっとだけ背負わせてもらってます。

「あなたのもし、が茨城を変える」if design project

このまちづくりプロジェクトには、素敵な呼びかけが掲載されています。

もしも茨城県が、魅力度ランキング全国1位になるならば…もしも茨城県が、世界一住みやすいエリアに選ばれるならば…そんな夢みたいなことを茨城県は本気で考えています。その発端があなたの考えたアイデアからと信じて。

噂では、全国都道府県魅力度ランキング7年連続最下位の茨城県と称されていますが、その噂を払拭するような未来のプロジェクトをあなたならどう描きますか?

日本を、茨城を、地域を良くしようと想いを持った様々な地元企業のリアルな課題や茨城の魅力を、フィールドワークを通して学び、異なるバックグラウンドを持つ仲間たちと共に課題解決の企画を行います。

約3ヶ月間、茨城と東京で、「もし」自分たちだったら何をやるか、何ができるかを、その後の実践までを見据えて、企画・デザインしていきます。

if design projectは、地方を支える地元企業への、実践的な提案を通じて、企画力を育むとともに、一緒に企画・実行する仲間を見つけ、自らの今後の働き方、生き方を問い直すプロジェクトです。

まちを良くするだけではなく、参加した人たち全員が「自分の生き方、働き方」を問い直すきっかけになる。地方創生って、地方課題の解決に目がいきがちですが、実は都会に暮らす人たちの課題を解決することに価値があったりする。ワーケーションでも、そこに価値をおかれることがあるので、なるほど、本当にそうだなと。

なお、この宣言が立った2020年、茨城県は早速、魅力度ランキング最下位を脱出。42位と未だ上位とは言えませんが、茨城を盛り上げる機運が、少しずつ数字になって見えてきているように思います。

ツーリズムの定義を変えるところから。

生意気な顔して、チームの皆さんに一番最初に考えて欲しいとお願いしたこと。自分自身が答えを持ち合わせているわけでは、正直、なかったけれど、ここから考えて欲しかった。間違いなく、コロナを通じて「観光のあり方」は大きく変わってしまった。

これを考えずにおざなりにしたままでは、多分、茨城のツーリズムをしょえる事業アイデアは生まれないと思いました。チームの皆さんがこのお題に答える義務はないし、みんながやりたい「もし。。。」を考えるのが目的なので、どう料理してくれるのかなぁ、と薄い期待だけ持って、コミュニケーションを取っていました。

マズローの欲求5段階説

そこで、彼らが持ち出してきたのが、マズロー。

コロナ禍において、「美味しいご飯を、安全な場所で食べる」という日常にあるべきものを失ってしまった、私たち。マズローの「欠乏欲求」に関心を持ったツーリズムチームは、担当エリアの「かすみがうら」を見つめ、たくさんの魅力に触れながらアイデアを練りまくっています。

僕も初めて訪れた、かすみがうら。琵琶湖は有名なのに、日本で二番目に大きい、この湖のことは、まだ日本人のほとんどが知りません。朝早起きをしてみた霞ヶ浦は、ご覧の美しさでした。

"日常と非日常の逆転"

彼らが見つけたキーワードが「日常と非日常の逆転」という言葉でした。日々の暮らしにマスクや消毒、ソーシャルディスタンスに、密がどうこう、移動がどうこう。実家に変えることも簡単には許されなくなってしまい、日常生活が一気に「非日常」になってしまった。

今、ツーリズムに求められるのは「去年までは、当たり前にあった日常」ではないか。と彼らからの提案。普通に「暮らす」普通に「美味しいご飯を食べる」普通に「実家に帰る」。今、旅に求められているには、「日常にあった、あの体験」だ。と。

「暮らす、働く、移動する」日常と非日常の境目が曖昧に

旅をすることで「日常」を得る考え方は、コロナ前から提唱していたHafHの考え方にも一致します。旅先で「仕事をする」旅先で「暮らす」。Airbnbから始まり、アドレスホッパーや、ワーケーションといった言葉が話題になっていることは、つまり、日常と非日常の逆転なんですよね。一方「家で働く」という、本来日常の場だったところが、在宅勤務を通じてオフィスになってしまい、非日常が日常になりつつある。この境が曖昧になっていく世界。ここに、これからのツーリズムの大きな可能性が開かれるんだと思います。

家で日常を過ごせなくなった今、旅先で、みんな、何を求めているのか。

ツーリズム産業がもたらす経済効果は840兆円超、と言われる世の中において、コロナ*ツーリズムは来年どう変わっていくのか。彼らの学びによって僕が何倍も学びになる。登壇するとかセミナーする醍醐味は、ここにあります。ぜひこれからも、たくさんの方に会い、話を見聞きし、学びを伸ばしていきたいと思っています。

Enjoy your life journey!

Thank you for your support!