読書感想文　『告白』

告白　読了。
湊かなえさんのデビュー作で本屋大賞受賞作。

驚いたのは、これだけ重く圧力がある話なのに最初から最後まであっという間だったこと。

冒頭、先生が終業式の終わった教室で衝撃の告白をする。
その内容だけでも十分凄いのだけれど、そこから続く各章で別々の人物からの視点で語られる事件の裏表がとても濃い。

誰もがこれまでの経緯から事件に対して違った強い感情を持ち、それを内に秘めていたり行動に移したり。

それぞれの視点で語られるからこそ事件の全貌が見えるようでもあるし、ここに書かれているのはほんの一部であるようにも捉えられる。

タイトルが『告白』であるし、この小説では告白が大きな意味を持つのも分かるが、読了後、自分にはどこまでも復讐という言葉が残り続けています。

そして、読了後思ったのは先生であっても、生徒であっても、結局はそれぞれの立場、年齢以前にどうしようもなく『人』であること。
だから、この小説にはこんなにも語る側の感情が溢れていてだからこそ引き込まれたんだろうなと。

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