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読書感想文 『ガニメデの優しい巨人』

【ガニメデの優しい巨人】


『星を継ぐもの』シリーズ第2部



2500年前のガニメアン宇宙船が太陽系に帰還し、人間と邂逅することで、第1部で謎に包まれていたところが解明されていく第2部。


タイトルにある通り、ガニメデの巨人(ガニメアン)は優しい異星人だった。と言うより、優しすぎて人間の暴力性がよく分かった。作中でもガニメアンは地球を恐れている。しかし、ハント、ダンチェッカーたちがガニメアンが以前地球に来た時に何を企み、どんなことをしたのかを推察していくと意外な過去が浮かび上がる。。



ガニメアンは人間(地球人)より遥かに高度な知識や技術を持っていながら、人間の方が圧倒的に進歩が早いと本作では表現されている。人間の進歩は素晴らしいことかもしれないけれど、ガニメアンの言動をみていると(読んでいると)、人間の考え方や倫理観がどうしても幼く見えてしまう。人間は知識技術に関してはこれからもどんどん飛躍していくのだろうけれど、根本的な人間性においては知識技術に関係なく、停滞し続けるんだろうと想像して少し悲しくもあった。




過酷な過去を生き延びてきて太陽系に帰還したガニメアンたちが次に目指すのは『巨人のたちの星』。エピローグでその旅路に一筋の光が見えて、私にとっては第3部への道標となった。







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