インパクト大⁉変わった題名の作品たち
今回はクラシック音楽におけるちょっと変わった名前の作品をご紹介します。
1 モーツァルト『俺の尻をなめろ』
モーツァルト(1756~1791)の作品で『俺の尻をなめろ』という中々インパクトのある作品が遺っています。
これはカノンというスタイルで書かれており、日本でいえば『かえるのうた』のような一つのメロディを何拍、あるいは何小節か遅れて奏でる曲の形式です。
なので、日本語に直すと
俺の尻をなめろ~
俺の尻をなめろ~
俺の尻をなめろ~
俺の尻をなめろ~
といったような感じになっています。なかなかシュールですね(笑)
ただこの『俺の尻をなめろ』というタイトルは隠語として「消え失せろ」のような意味を持つみたいです。モーツァルトの真意は不明ですが、この曲に込めた意味は何だったのでしょうか。
歌詞
Leck mich im Arsch!
Lasst uns froh sein!
Murren ist vergebens!
Knurren, Brummen ist vergebens,
ist das wahre Kreuz des Lebens.
Drum lasst uns froh und fröhlich sein!
Leck mich im Arsch!
俺の尻をなめろ
陽気にいこう
文句をいってもしかたがない
ブツブツ不平を言ってもしかたがない
本当に悩みの種だよ
だから陽気に楽しく行こう
俺の尻をなめろ
2 サティ『胎児の干物』
フランスの作曲家サティ(1866~1925)は作品のタイトルに奇抜な名前を付けることで有名です。
中でも個人的にインパクト大だったのがこの『胎児の干物』です。
短い3曲からなる組曲ですが、サティ特有の小節線が無く、拍子も取り除かれたスタイルで書かれています。楽譜を見ているとサティ自身のコメントがあちらこちらにちりばめられています。
3 ラヴェル『蛾』
最後はラヴェル(1875~1937)の『鏡』という組曲から『蛾』という作品です。
「蝶」ならクラシック音楽のタイトルとしてありそうですが、「蛾」はあまり想像できませんよね(笑)
出だしの音型はまさに「蛾」が飛んでいるような感じがします。
蛾って蝶に比べると、あらぬ方向に飛んでいくじゃないですか。
そして素早い。飛び方をまさに音で上手く表しているなと感心させられる曲です。
以上、タイトルがちょっと変わった作品を取り上げました。
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