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対旋律を付ける練習 一歩進んだ音楽理論 対位法編 Part 3

前回までの禁則や、好ましい進行、避けるべき進行を考慮しながら実際に与えられた定旋律に対旋律を付ける練習をしてみましょう。

1 長調(メジャー)

以下の例を使い対旋律を付けてみましょう。

まずは1小節目、最後から1小節前、最後の小節の音は制限があるのでそこからまず決めてしまいます。

最後の小節は必ずIの音(ド)で終わるので、必然的に対旋律もIの音(ド)になります。
最後から1小節前はVの和音、Vの和音第1転回形、VIIの和音第1転回形のいずれかを使用します。定旋律でレ(D)の音が与えられているので、対旋律はIVの音(ファ)かVIIの音(シ)に限られます。順次進行を多く含んでいる方が良いので、ここではの音を選びます。

最初の小節は上が対旋律なのでIの音(ド)かVの音(ソ)を選ぶことができます。定旋律が下行しているので反行しやすいように、低めの音を選びます。

まずは最初の小節がから始まる場合の対旋律を見てみましょう。

2~6小節目で長めの順次進行を含めています。
5度や8度(及びその複音程)を形成する場合は並達5度、並達8度にならないように注意しましょう。ここでは全て反行で8度を形成しているので問題ありません。

続いての音から始まる場合の対旋律を見てみましょう。

6~10小節目で長めの順次進行を含めています。
ここでも同じく5度や8度(及びその複音程)を形成する場合は並達5度、並達8度にならないように注意しましょう。

2 短調(マイナー)

続いて短調の場合で対旋律を付けてみましょう。今回は上に定旋律があるパターンです。

短調の場合は旋律的短音階の音も使えるので、今回のイ短調(Aマイナー)の場合はファ#の音、ソ#の音が使えます。

では先程と同じく1小節目、最後の小節、最後から1小節前の音をまず決めてしまいます。

下が対旋律の場合、1小節目で使える音はIの音(ラ)のみです。
最後の小節も使える音はIの音(ラ)のみです。
最後から1小節前は定旋律がソ#の音なので、Vの音(ミ)かIIの音(シ)の音を選ぶことができます。反行かつ順次進行にしたいので、ここではシの音が適切でしょう。

対旋律を付けた例がこちらです。

1~4で小節目で長めの順次進行を含めています。
5~7小節目でアルペジオが含まれていますが、反転しているので許容されます。
5度、8度はここでも反行によって形成されているので問題ありません。

3 教会旋法

教会旋法においては最後から1小節前の和音の制限がありません。なので長三和音、長三和音第1転回形、短三和音、短三和第1転回形、減三和音第1転回形のいずれかであれば何を使っても良いことになっています。

例としてニ調のドリア旋法を使用して対旋律を付けてみましょう。

最初と最後だけIの音(レ)にすればよいので、綺麗な旋律線を描けるように対旋律を作ります。

3~9小節目で長めの順次進行を含めています。

様々なパターンを想定して、たくさん対旋律を付ける練習を行いましょう。やがて綺麗な旋律線を付けることができるようになるでしょう。

4 終わりに

次からは対旋律が2分音符、4分音符と細かくなっていきます。この際にも新たな規則が現れるのでひとつひとつ見ていこうと思います。

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