和音の配置 一歩進んだ和声学 Part 2
今回は実際に和音をどのように配置するかを見ていきたいと思います。
今後は4声体(パート)和声を基盤としてお話を進めていきます。
混声四部合唱や弦楽合奏など様々なジャンルに適応できるものですので、参考にしていただければ幸いです。
1 4声体
先程述べた通り、今回から紹介する和声学は4声体和声をベースにして紹介していきます。
ソプラノパート、アルトパートのようにこのパートというのは日本語では声部(せいぶ)と言います。この和声学では4つの声部を使って和声というのはどういうものかを見ていきます。
この4つの声部は上から
ソプラノ(Sop)
アルト(Alt)
テノール(Ten)
バス(Bas)
呼びます。
そしてソプラノとバスを外声(がいせい)
アルトとテノールを内声(ないせい)
と呼びます。
そしてソプラノ、アルト、テノールの3声を上(じょう)3声といいます。
2 各声部の音域
和音の構成音を各声部に割り当てることを配置と言います。この際、配置する際にはそれぞれの声部の音域に注意しなくてはいけません。
各声部の音域は以下の通りです。
また隣り合う声部の距離は以下の範囲が良いです。
ソプラノ~アルト→1度~8度(オクターヴ)
アルト~テノール→1度~8度(オクターヴ)
テノール~バス→1度~12度
例えば以下の通りでも理論上許される配置です。
3 バス課題と上3声の配置
和声の勉強で欠かせないのがバス課題というものです。これはあらかじめバスに音が与えられ、それらの音の上に上3声を配置するものです。
後にソプラノ課題も登場しますが、しばらくはこのバス課題に主に取り扱います。
以下バス課題の例です。
上記のようなバスが与えられた後、
適切に上3声を配置します。
配置にも色々と規則がありますが、順に紹介していきますので。
上3声を配置した時にソプラノが
根音(ルート)ならば根音高位(根)
第3音なら第3音高位(3)
第5音なら第5音高位(5)
といいます。
また上3声の配置において、ソプラノ~テノールの距離が、
1オクターヴより広ければ開離配分(開)
1オクターヴより狭ければ密集配分(密)
ちょうど1オクターヴならばオクターヴ配分(Oct)
といいます。
バス課題は和音の構成音(根音、第3音、第5音)を上3声に配置しますが、第5音は省くことができます。根音、第3音は省略することは出来ません。
4 まとめ
以降は4声部による和声を紹介していきます。
今後出てきますが、色々な禁則事項などもあり、色々と配置が制限されるときも多々あります。
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