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世界の表層を舐める程度しか認識しない我々の潜在能力。

プラトンは「肉体は魂の牢獄だ」と言った。
この言葉が頭からこべりついて離れない。


人間の脳のニューロンネットワークの構造は銀河系の構造とほぼ相似関係にあると言う学者が近年多数いる。
それぞれの写真を比較して見ると、たしかに形状もかなり類似していることがわかる。


我々が今生存しているこの3次元(これに時空間を付して4次元であるという解釈もある)では、エントロピー増大の法則によって時間は不可逆的で一方通行なものであるとされている一方、超弦理論によると数学的には宇宙には理論上11次元まで存在しており、次元が上がるにつれて時間や平行世界等のあらゆる制約から解放されていくとする、一見オカルトに聞こえるような考えまである。

近年、スイスの研究チーム、「ブルー・ブレイン・プロジェクト(Blue Brain Project)」が人間の脳のニューロンネットワークは非常に複雑な構造を持っており、最大11次元まで拡張可能な領域も存在したという研究結果を発表した。


これがもし事実だとすれば、我々人間一人一人はそれぞれの"小宇宙の神"であると解釈できる。
いやむしろ、ここでいう人間とはホモ・サピエンスの事を指すが、ホモ属も他の哺乳類と同様に物質から生物への進化の産物なため、サピエンスに限らず全ての生物がそうである可能性も否めない。

このような汎神論は古くから囁かれており、例えば17世紀にゴットフリート・ライプニッツという哲学者(兼数学者)も"モナド論"として似たような論理を体系化している。

とんでもないオカルティズムに感じるかもしれないが、これらはスピリチュアルではなく発展途上の科学なのだと認識することを出発点として万物は流転する。

もちろん現段階では全て砂上の楼閣に過ぎないが、コペルニクスの地動説も、フロイトの精神分析も、アインシュタインの相対性理論も、当時は単なるオカルティズムだと痛烈に批判されてきた歴史があるのだ。

つまるところ我々はこの世界について何も知らないのだという構築主義的な結論に常に帰着する。
常識に囚われては事物は捉えられない。
(もっともらしく、ニーチェの"There are no facts, only interpretations.──真実などない、解釈があるだけだ──"という有名なセリフを連想する笑)


そもそも 「神経」という語は杉田玄白らが解体新書を翻訳する際、神気と経絡とを合わせた造語をあてたことに由来しているが、神(しん)とは、伝統中国医学における、広義には全ての生理活動を主宰し、それを表現するものであり、狭義には、精神思惟活動を主宰するものであるという。

いずれにせよ"神"という文字が使われている事もどうも勘ぐってしまう。

例えば、マリファナやLSD等の植物やドラッグが人間のクリエイティビティを高めるといった話は有名だが、複雑なニューロンにそれらの物質が結合することでより高次のネットワークにアクセスできるよう神経細胞が拡張されるというのは充分ありえる話だ。


"深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいている"らしいので、私もそろそろ口を噤む事にする。 

語り得ぬものについては沈黙しなければならない。
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン

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