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夢と目標を決めるときに大事なこと。

今日は、僕がある大きな映画に出演したときのお話しをします。
前の記事にも書きましたが、僕は高校を卒業した後、生まれ育った京都を離れ、東京へ行きました。東京へ行った理由は映画俳優になる為です。
東京に引っ越した当時、僕は現地で知り合いも友人もいませんでした。
とりあえず無事にワンルームの部屋を借りることができ、残ったのは
30万円のお金だけ。なんとかアルバイトを見つけ、週6で1日10時間以上もアルバイトをする日々を1年ほど送りました。

俳優らしいことに時間を使うようになったのは、上京してから1年経った頃でした。僕は俳優養成所に週3回通うようになりました。
養成所に通う日々の中、知人に呼ばれ、僕はとあるイベントに行きました。そのイベントに出ていた俳優さんに声をかけてもらい、なんと僕は芸能事務所に所属することになりました。
事務所へ行くと、テレビで見ていた人達が何人かいて、やっと自分が芸能人の仲間入りをした気になりました。

事務所に所属してから数ヶ月が経った頃、ある大きな映画のオーディションがありました。僕はそのオーディションを受け、受かってしまいました。
もらった台本を開いたとき、キャストの名前を見て驚きました。

撮影は3ヶ月ほどかけて行われました。撮影中、昼は撮影、夜は飲みに行くのような毎日で、一緒に飲む人達は有名な人ばかり。そんな人達に囲まれながら生活をしていると、自分も立派な俳優になった気になりました。
撮影が終わり、次の映画のお仕事をしている最中に、完成披露試写会や色々なことがありました。そして全国の映画館でその映画が上映されました。少しだけ映像に映る僕の姿を見てくれた人は思った以上に多く、今まで関わってきた人や僕のことを無視していた先輩たちまで、
様々な人から連絡を頂きました。

そんな中、僕はこう思いました。
「自分が思っていた世界と現実が全然違った。」

僕は気がつきました。
自分は演技というものが大好きだったわけではなく、寝食を忘れるくらいやりたかったことでもなかったのだと。
ただ有名になり注目されたかっただけなのだと。
東京へ行く前に家族や友人に大口を叩いてきたので少し恥ずかしいところもありましたが、僕は俳優としてのキャリアをそう気づいたときに終わらせることにしました。

周りの人は、あんな大きい映画に出演してこれからなのに何で辞めてしまうんだと言いました。でも僕はそうは思いませんでした。もし仮に自分が売れて有名な俳優になったとしても、幸せな人生は送れないと思い決めたことだったからです。
俳優になるという夢を持ったとき、僕は自分がテレビに出ていたり、映画に出ていたりと、そういったことを想像しながらワクワクしていました。
そのワクワクだけで、進学をせず、単身東京に行ってしまうんですから相当なワクワク感だったのだと自分でも思います。
でもそれは、少々安易な考えでした。

自分がテレビや映画に出ている姿ばかり想像して、どんなふうに毎日を過ごしているのかということに、目が届いていませんでした。
俳優になった後どうやって生きていくのかを考えていませんでした。
自分は俳優として何をしたいのかを考えていませんでした。

夢や目標は叶えてからが大事だと、今は思います。
オリンピックに出場したスポーツ選手の中にも、金メダルを取った後、急に何に対してもやる気がなくなってしまったという選手がいます。
それは金メダルを取った後、自分はどうやって生きていくのか、これから何をしていくのかを決めていないからです。

夢や目標を決めるとき、「自分は何になりたいのか」ということばかりを考えてしまいがちですが、それに加えてもう一つ、二つ考えてみることもいいかもしれません。
自分はそうなった後、何をしていくのか。
自分はそうなった後、どんな生き方をしていくのか。
自分は何がしたいのか。それは自分のために?それとも誰かのために?

少しだけ夢や目標の内容が変わってくるかもしれませんね。
自分の成長と人々の幸せ、そしてこの世界をより良いものにするために、
自分の心と向き合ってみてください。

こばやしさん

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