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視点の深さ/広さ/高さをどう変えるのか?

転職して一年が経ち、役職も変わり、副業も始めたりしたことで視点の違いによる問題というか面白さがあったので残しておく。


この記事は、転職や役職の変更、副業などによって視点が変わった経験から、視点を変える技術について考察しています。視点、視野、視座の違いによって、問題解決やアイデア出しの質が変わることを紹介しています。

Notion AIが要約するとこうなります

仕事柄、お客さんの課題や悩みをヒアリングする機会が多い。そんな仕事を足掛け5年ほど続けている。

ヒアリングの冒頭15分程度で、だいたい解いている問題が違うんではないか?と思うことが多々あり(後々よく聞くと、やっぱりそれが問題かと思うことも)なぜそうなってしまうのか日々疑問であった。

そして自分たちのチームだって同じような現象に陥っているのではないか?とも同時に思う。

群盲象を評す

諸説あるが、インドの寓話として伝えられている話がある。あらすじはこうだ。

盲人たちがゾウの一部分だけを触って感想を語り合い、それぞれが自分が正しいと主張して対立するが、同じ物の別の部分であると気づいて対立が解消する

それぞれが別々の角度からモノゴトを捉えているために、それぞれの主張には論拠とロジックがあるためお互いに譲らない。決して全体像を捉えることなく堂々巡りが続く。

木を見て森を見ずとも言えるが、要は「見ているものによってその人の意見や考え、思い込みが作られてしまう」ということだと思う。

なにを私は見ているのか?

視点

視点は見ている対象物の違い。それは目標だったり、その人にとってのベネフィットだったり、ゴールだったり様々である。経営者が将来の顧客のことを話しているつもりでも、従業員は今の顧客の話だと思って聞いているなどが例だ。

先日たまたま聞いたpodcastで星野リゾートの星野さんが出演している回があった。

パーソナリティの住吉さんが自身のラジオ制作チームの相談をしているシーンがあり、彼女は「個性あふれるチームメンバーのモチベーションを上げるためにどうすればいいか?」というような相談をしていた。

星野さんてっきりモチベーションを上げる方法を答えるのかと思いきや、「なんでそんなにモチベーションの差があるんですか?何がそこにあるんですかね?すごい興味あります」と返していた。

モチベーション自体が問題ではないと直感的に感じたからこその質問なのかなと思う。

住吉さんが見ていたのは「モチベーション」自体であって、星野さんが見ていたのは「その差分」や「真因」。何を見ているのかによって打ち手が変わるので、もちろん出てくる効果も変わる。

視点のほかにも視野・視座もある。

視野

これは見ている範囲の違い。視野が狭いな〜と言われている時は主に見ているものは正しいが、範囲が狭い。今期の売上だけ考えれば今の営業方法で良いが、来期も考えると今から種まきをしておいたほうがいいなど。

さらには営業だけでなく、人事や労務、マーケティング、デザインなど視野を広げれば広げるほどより解像度は高まる。細部まで気を使えたり、実現可能性の高い施策を考えられるだろう。

一見ピンチに見えることも、広い視野のおかげで精神的に落ち着いていられるなどもあるかもしれない。

視座

どの高さから見ているかの違い。立場の違いとも言える。仕事だけでなく、父親/母親/自治会の会長など立場によってよく変わりがち。俯瞰してモノゴトを見れるから、視野も視点も広がる傾向がある。英語では「もっと視座を上げよう」を「from 30,000ft view」というらしい。オシャレか。

やりたいこと探しに必至だった時期に「人生でなにを成し遂げたいとか、どんな生活を送りたいとか考えてみたら?」と知人に言われて個人的には視座が爆上がりした。

グロービスさんの記事もわかりやすい。


どうやったら変わるのか?

複数のケースがあるように思う。

シンプルに知らない場合

情報を得られたことで視点や視野、視座が変わるというケース。情報が新しく加わることで新しい視点が加わる、視野と視座を広げやすくなるなど。

毎回遅刻してくる人の厳しい生活環境(ダブルワークで介護もしている)を知ったことで「あ、それならば仕方ないのかもしれない」と思うなど。

問いによる場合

コーチングなどはこの例だと思う。人間の脳は答えが見つからない状態が嫌いなため、問いかけられると無性に答えたくなってしまう習性がある。

普段自分に問いかけている問いではない問いを考えることで視座が上がったり(もし今の会社を経営していたら、どう対応しますか?とか)、着眼点を変えるよう問いも(もしマーケティング予算が10万しかなかったら?)効果的なように感じる。

実際にアイディア出しのワークショップの際に、こういった問いを用意しておくとたしかに別角度のアイディアが出る傾向が強いように思う。

五感を使った体験

上の2つが頭から攻める形だが、カラダを使ってのケースもあると思う。強烈な原体験をしたとか、ランニングは向かないと思いつつ始めたら意外とハマってしまったとかそういうのだ。

カラダと頭は神経で密接につながっている。視点の変化も極論、脳の変化と捉えればカラダから脳を変えられると思う。

ここらへんは大量の論文がありそうと思ってAIに聞いたら、鬱に関しての対策としてたくさんあった。

複数の研究によると、うつ病、心理的ストレス、不安の軽度から中等度の症状の治療には、薬物療法よりも運動が効果的であるとされています

両側からのアプローチ

かくいう僕もたまに同僚からのフィードバックで「あぁ、その視点はなかった」「たしかにそこまでの視野で考えていなかった」ということが頻繁に起こる。

ただこういう頭に対するアプローチも受け入れられるときとそうでない時がある。疲れていたり、もう集中力がなかったり、とはいえ、、、う〜ん。となったり。いろいろだ。あとなぜか分からないが、その新しい視点は「長続きしない」。

脳の可塑性がオトナになって落ちてきているのは分かるが…。

個人的には「五感を使った体験」による視点/視野/視座の変化に未来がある気がする。

問いや情報はAIがサクッと持ってきてくれる世の中になった。もっと人の内部に働きかけるような仕事が増えると思う。


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