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【CLUB HUBlic】クラウドファンディングを相談されてから立ち上げるまでのストーリーを物語調でまとめてみた。

CAMPFIRE公式パートナーのりょうかんです。クラウドファンディングに挑戦する人のサポートをするコーディネーターとして活動しています。

執筆時点の 2022年2月28日 までに担当したプロジェクトで累計5,300万円以上のファンディングに貢献してきました。(担当実績はこちら


この記事では、昨年2021年の2月22日から3月28日まで挑戦して【 339.3万 】円を集めた「生き抜く力を養う「スキルアップ講座」を熱海の若者たちにプレゼントしたい【熱海市】」の立ち上げまでのストーリーを物語調でお届けします。

実施期間:2021年2月22日〜2021年3月28日
目標金額:300万円
達成金額:339.3万円(達成率113%)
支援者数:249人

https://camp-fire.jp/projects/view/387221




朝起きたら1通のメッセージが届いていた。送り主は、キャリアコンサルタントとして熱海で経営者コーチングや人材育成をしている小林めぐみさんからだった。

良寛さま、おはよ。
ちょっとご相談がw

いよいよロカ奥の事業が始まるのですが、来年2月くらいにクラファンをやりたいなと思っております。そこで、クラファンのもろもろの原稿やリターンの設定など相談に乗ってもらったり、書いてもらったりを良寛にお願いできないかと。

ご検討くださいませ。
何卒よろしくお願いします。

(一部内容編集)2020/12/06 7:41

当時はまだCAMPFIREとパートナー契約すら話に上がっておらず、クラウドファンディングの実績は2件のみ。そんな状況で当然の相談だった。

話を聞くと、2019年夏に熱海の宿泊施設『ロマンス座カド』のクラウドファンディングを担当したことを覚えてくださっていたようで、

「もし自分がクラウドファンディングに挑戦することがあれば絶対りょうかんに相談しようと思っていた」

とありがたい言葉をかけてくれた。

参考記事(当時まとめた記事)
≫ クラウドファンディングの達成率を高める記事作成のポイント【実例あり】
≫ クラウドファンディングのリターン設定はどうすればいい?【意識するポイント5選】
≫ クラウドファンディングの挑戦を終えて。|note


返事をして打ち合わせの日程を調整し、約2週間後の12月21日に話をすることに。打ち合わせで相談されたプロジェクトの内容をザックリまとめると、

・熱海銀座のシェア店舗RoCA内で会員制ワークスペース&学び場「CLUB HUBlic」を来春にオープンする予定である

・事業モデルとしては「コワーキング会員」をベースに、熱海で働く人向けの「スクール事業」と、本業でもあるコーチングを活かした「キャリア支援事業」を展開していくことを狙っている

・すでに金融機関からの借入は決定していて資金面では問題がない

・熱海で自分らしい人生(キャリア)を作っていける若者を増やしたい

・そのための「適切なタイミングで適切な人や情報に出会うことができる地域コミュニティの場」にしていきたい

・観光業が中心の熱海では、コロナ禍によって突然失業するかもしれない若者がたくさんいるが、その若者たちが自立したキャリアを描くためのサポート環境/機会が無さすぎる(だからこそ  CLUB HUBlic を立ち上げる)

・オープンに向けてクラウドファンディングでプロモーションはしたいと思っているが、資金的には困っているわけではないので支援を募る目的の設定に悩んでいる

というようなものだった。この時点での最大のポイントは【 資金面はすでに不安のない状態になっていたこと 】にある。

多くのプロジェクトでは資金面の不安を解消するためのクラウドファンディングを活用する。一方で、今回は資金面がすでにクリアになっていた。この時点で勝ちである。

あとは、より本質的な課題を見つけ出し、その解決に繋がるアプローチをクラウドファンディングを通じて考えればいい。


めぐみさんとは元々知り合いだったこともあり、今回の『CLUB HUBlic』に至るまでの思考の変遷もある程度は知っていた。だからこそ、めぐみさんの抱いている本質的な憤りは

熱海の若者がキャリアを選ぶための知識やスキルを学べていないこと

なのかも?と思った僕は

「本音の部分で力を入れたいのは熱海の観光業で働く若手向けのスクール事業じゃないですか?」「とは言え、スキルアップに繋がる講座を給与水準の低い観光業の人が積極的に受講するのは難しそうですよね?」

というような幾つかの質問をしてみた。答えはおおむね僕の予想通り。場としての『CLUB HUBlic』をオープンしたあと、どのようにして熱海の若者に自分らしいキャリアを描くための考え方を伝えていくか。そのソフト面にはまだ課題が残っているようだった。

そう感じた僕は、こんな提案をしてみた。

「特殊な形かもしれないですけど、クラウドファンディングを通じて熱海の若者のスキルアップ講座受講費用を募るのはどうですか? めぐみさんの想いに共感した人が熱海の若者の受講費を代わりに払う。めぐみさんの感じている本質的な課題の解決にも繋がると思いますし、CAMPFIREのビジョン『想いとお金がめぐる世界をつくる』にも合致した正しいクラウドファンディングのあり方だと感じるんですが・・・」

その瞬間、めぐみさんの表情がパッと明るくなった気がした。

「それめっちゃいい!!」

と喜びに満ちた声が届いた。そこからは堰を切ったように次々とアイデアが膨らみ、クラウドファンディングで打ち出すプロジェクトの骨格がほぼ決まった。足りなかったピースがカチッとハマった瞬間だったと思う。


翌日、めぐみさんから『CLUB HUBlic』のコンセプト資料が届いた。

良寛、昨日はありがとう! ワクワクしてきました!

改めてコンセプトのスライド送っておきます。よろしくお願いします^ ^

(一部内容編集)2020/12/22 15:12

この資料を元に、年末年始を使ってプロジェクトページの本文案を書いた。(せっかくなのでその初稿原稿を公開しておきます)


そこから2月22日の公開に向けてページ作成を進めていく。本文の文章だけでなく、メイン画像やリターン画像などの各種画像系も僕がデザインした。本職ではないができる限りクリックされやすいような工夫を盛り込みながらデザインしてみた。

そして、この間に CAMPFIRE社 と「キュレーションパートナー」として公式に契約。めぐみさん以外にも同時期に複数のプロジェクトに携わらせてもらっていたが、これが公式パートナーとして最初に事例のひとつとなった。


そうして35日間の募集を終えたときには、最終的に総勢249人から【 約339.3万円 】という大きな金額が集まっていた。目標金額300万円と強気の設定に内心ビビってはいたけれど、めぐみさんが長年培ってきた信頼とプロジェクトに対する確かな想いが伝わった結果だと思う。

結局、全リターン「感謝メールとサイト氏名掲載」のみという実質的には寄附に近い内容で集め切った。手数料を除いた全額を熱海の若者へのスキルアップ講座代として使えることになる。本当にスゴいプロジェクトだ。


このクラウドファンディングで集めた資金を使い、CLUB HUBlicでは昨年の春からたくさんのスキルアップ講座の開催されている。会員数は46組を超え、さらには、この場所に集まる熱海の若者を中心に独自の勉強会企画なども動いているらしい。素晴らしい流れだと思う。


かく言う僕も、2022年3月3日に講師として「クラウドファンディング講座」をやらせてもらうことになった。もちろん熱海市に在住/勤務している人は無料で受講できる。

しかも、今回は【 オンライン参加 】も受け付けている。この記事で書いたような良い事例に加えて、普段の講座では話さないような公開に至らなかった未着手事例なども話してみる予定だ。興味があればぜひ熱海市外の人も申し込んでみてほしい。(申し込みはこちら


こんな素敵なプロジェクトにこれからもたくさん携わりたい。そして、もっと多くの「素敵な想いの乗ったお金」がめぐる世の中にしていこう。

きっと、そんな世界になれば幸せに生きていける。





というわけで、物語調で書いてみたので読みにくかった部分もあるかもしれませんが、小林めぐみさんのプロジェクト「生き抜く力を養う「スキルアップ講座」を熱海の若者たちにプレゼントしたい【熱海市】」の立ち上げまでのストーリーをまとめてみました。

ぶっちゃけ講座の告知のために書き始めたのですが(笑)、僕が過去に担当したプロジェクトの中でもダントツに本質を突いた企画だったと思ってます。

今後、クラウドファンディング挑戦をする人にとってちょっとでも参考になる部分があれば嬉しいです。


最後に、募集終了してからしばらく経った頃にめぐみさんから届いたメッセージを紹介して終わります。

おはよ。

都市経営スクールで〇〇さんがグループのメンバーに、小林めぐみのクラファンの文章を読め。あれがプレゼンにおいて大事なことが詰まっているって言ってくれたよ^ ^

改めて良寛に感謝。
私の想いを、私以上に引き出してくれてありがとう^ ^

勉強会に来る子たちが、この場所があってほんとによかったと何人も言ってくれて、私は毎日泣きそうよ^ ^

ほんとにありがとう^ ^

(一部内容編集)2021/06/30 11:06


ではまた!


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