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初めての着物 フランスから日本に来て一番感動したこと

彼女が日本でできて一番嬉しかったことは、着物を着ることができたこと、だと言っていました。フランスで、着物を着た経験を友達や家族に話すととても羨ましがられるそうです。フランスでは着物は日本を象徴する一つの文化として知られています。しかし、フランス人が思い浮かべる着物はとてもカラフルでフワフワがついてたり、丈が異常に短かったり、と僕たち日本人が知っている着物とはかけ離れたものだったりします。

僕は彼女が初めて日本にくるということで、何が一番貴重な経験になるかと考えていました。僕の叔母さんが着付け師だったので、着物をもし着ることができたらかけがえのない経験になるだろうと思って叔母さんに試着をお願いしていたのです。叔母さんは長年着付けをしていますが、日本人以外の人に着付けをするのは初めてだと言っていました。


着付けをする当日、彼女は少し緊張していました。どんな風に着付けするのか、何か特別な礼儀作法がないか、と心配していたのです。歩き方や着こなし方を間違えて失礼にならないか、と本気で心配していたのです。そして驚いたことに、長年着付けをしている叔母さんが彼女よりももっと緊張していました。初めてフランス人に着付けをするということで、色合い、どのようなスタイルの着物が合うか、ずっと悩んでいたというのです。

僕は二人に何も緊張することないよ、と伝えました。まあ着物のことを全く知らない僕ができることは何もなくただ着付けが終わるのを待っていただけですが。

1時間程度で着付けも終わり、彼女が着物姿で満面の笑みで戻って着ました。叔母さんもうまく着付けができたと満足げでした。せっかく着物を着てるのだから、町を一緒に歩こう、ということでおばさんも着物に着替えて、三人で町歩きをすることにしました。僕だけ普段着だったので素敵な着物姿の二人を横に、なんとなく申し訳ない感じがしました。

ちょうどお昼時間だったので、お昼ご飯を食べよう、ということで叔母さん一押しの和食屋さんに入りました。三人とも、天ぷら定食を頼みました。僕やおばさんにとっては天ぷら定食をランチで食べるのは特に珍しいことではないのですが、彼女にとっては何もかもが初めての経験です。ましてや、着物です。着物姿で和食屋さんで、お茶をのみ、天ぷらを食べ、そして食後の和菓子のスイーツ、一つ一つがかけがえのない経験になった、と彼女はいうのです。

大満足で和食屋さんを出て、少し町歩きをし、叔母さんの着物屋さんに戻ります。彼女は素晴らしい経験ができた、と大喜びでおばさんに着物についてたくさんの質問をしていました。このような経験をさせてあげれて本当によかったなあと思います。おばさんに感謝です。


彼女は、なんどもその思い出話をしています。相当嬉しかったんだと思います。次回日本に戻った時、彼女の両親へのお土産としておばさんのお店で羽織、甚平を買って帰ろうと思っています。きっと喜ぶだろうな。


僕たちは、今年の夏フランスで結婚式をあげる予定ですが、叔母さんは着物で参加してくれるそうです。フランス人みんな着物姿に釘付けになるだろうな、と想像しています。もうすでに、今から楽しみです。

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