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"なぜそのミネラルウォーターを手にとっているか?"販促を知る、マーケティング戦略#2

前回#1としてYELLtumに関してのマーケティングの考え方や方針の触りなんかを書いてみたが、以降色々な方々と話す機会がありそこまで外れていないって事が分かった。
外れていないって言うのは当然深めのリサーチもしているし、個人的な経験則も加味しているからそりゃ空振りって事は無い。

地域通貨と販促

そもそもYELLtumの着想に至る過程は色々と参考になるサービスはあるがやはり販促の考え方はかなり色濃いとは思っている、と言うよりも重要な部分って事だな。
購買動機って言うのは例えば広告、好きな〇〇選手が使っている、そしてこれはあまり知られていないが日本人の面白い所で実は日本人は何か買う予定が無くてもついつい買ってしまう、これが世界で一番なんだ。
とにかく『なぜ買うか』この辺は自分も俯瞰で見ると面白く、確かにコンビニに行けば余計な買い物もしてしまうし、今まで決まって飲んでいた飲料が新商品の見た目がかっこいいだけでリプレイスされてしまう、なんて事はよくある。
あまり意識しないだろうがスーパーやコンビニ、量販店などの棚はそんな戦いが裏で繰り広げられているわけだ。
正直この辺はデジタル広告で事前に訴求していても実際に商品を手に取る場所だからかなり重要だと思っている。
では購買導線はどうか?
この導線こそが地域通貨を成立させるコアな部分だと思っている。

なぜそのミネラルウォーターを手にとっているか?

買うと言う行動は『行く』でも『会う』でも置き換えられる、そして何かしらの動機があり、そこに至る導線が必ず存在する。
分かりやすい例としてミネラルウォーターだ。

①安いミネラルウォーター(コンビニのPBとか)
②ちょっと横文字で10〜20円高いミネラルウォーター
③がっつり横文字で50〜100円高いミネラルウォーター

全部水だ、これは健康に詳しい方からの意見は一旦無視すると全部ただの水だ。
『ただの水』って考えた場合、当然選択肢は①になるはずだが、ならば家の水道水や公園の水でもいいだろうが当然それは違うって事だ。
水道水じゃ無く①の場合、ちょっと汚いんじゃ無いか、とか消毒されているから体に悪いんじゃ無いかってフィルターがあるはずだが(人それぞれだが)これは一つの購買に至る動機になる、そして特にこだわりが無ければじゃあ①を手に取るって選択肢になるはずだ。
ちなみに日本の水道水はかなり優秀だ、安心してくれ。
実際に①〜③の動機を簡単にまとめると下記になるんじゃ無いかと思う。

①水自体にあまりこだわりが無い、なので価格は低く押さえたい
②ちょっとカッコ良さそう、こだわってそう、若干の健康志向あり
③毎日体に入れるものは栄養素も大事、健康でいたい

細かく分析したいわけじゃ無いからだいたいこんな感じだろう。
そしてもう少しシンプルにすると

①低価格
②イメージ
③健康

こんな感じだな、もし俺が③の水を『販促』したいと考えたら②の消費者は正直ハードルを感じる、理由は多少のブランドを含めたイメージが付いているから。
一方で①は低価格=『なんでもいい』わけだから余計なイメージは付いていない、だから水を売るのでは無く、『③の健康イメージを売る』と思う。
実は②の消費者に対しての方が③が売れそうだと思うだろうがこれは違うな、あるブランドのイメージを覆すのは中々時間も費用も実際にかかる。
では、この考えを地域通貨、ファンとのコミュニケーションで考えるとどうなるか?
俺はブロックチェーンがDX感出てるよね、とかトークン話題性あるよね、とかPR上の考えでは間違いでは無いがサービスとして捉えた場合だとこの辺まで深掘りしないといけないと考えている。
少しメーカーや広告目線で書いてしまったたが顧客目線での深掘りはまず先頭に立たなければいけない。

地域通貨の『色』は何色なのか?

前述したように水一つをとっても様々な購買への動機がある。
様々な販促を考えていくと、では地域通貨はどうなっているか?と言う考えに当然至り、サービスの開発においては一つの重要なテーマでありかつコアになる部分であるのは間違いない。
地域通貨と法定通貨の関係性や比較はここでは述べないが少なくとも地域通貨を新たな技術を用いる事でアップデートをさせる、そしてここに関しては海外でのトークンのマーケティングはかなり役に立ち、今後日本の法定通貨がデジタル化された際にも応用が出来ると考えている。

自治体では無い『色』を付ける5つの理由

地域通貨に関しては#1でも述べた様に日本では約800程度存在しているが成功例としてはさるぼぼコインが圧倒的だろう。
実際のところ多くの地域通貨は自治体や信金なんかが旗振り役な訳だが、何故成功モデルが1/800程度なのか?
先に伝えるが実際に法定通貨を使うよりも何かしらのインセンティブが付いているので地域通貨の方が全然お得だ、これはほぼ全てにおいて共通している。
ではなぜ普及していない、そもそも知られていないのか?
例えば一つ目のヒントとしてはTwitterで地域通貨とサーチしてみてくれ、全然情報が出てこない、もうヒントというか一つの答えだな。
そう、SNSへの導線が無いケースが非常に多い、そしてそれは認知の段階でオンラインに露出する設計が為されていないからだ。

二つ目は出口、使える場所だ。
地域居住者に対して還元をする、これが自治体が行う事は間違っていないと思う。ただし、還元だとその地域のみで止まってしまわないか?大事なのは循環だ。
地元商店街で使える事はいい事だ、ただしせっかく税金で印刷して、送料負担して送付して、もしくはApp作ってだの色々と取り組んでいる訳だからそこはインバウンドにも対応出来る仕組みや旅行者もお得に使用出来る様な仕組みにした方がより地域に還元できるだろう。

三つ目は水のケースと同じ、貰ってラッキーぐらいの浅い動機だ。
確かに『金』がタダで貰えれば嬉しいが発行元の自治体に何かロイヤルティが生まれるかと言えばそんな事もない。
振興券でも地域通貨でもいいが自治体にロイヤルティは感じているか?感じていないだろう。
要は行政やそのイメージがある機関は多くの人にとってみれば税金払ってるんだから当たり前だろ、そんな感じだ。
正直最近だとデジタル化うんぬんなんて国から言われて相当しんどいだろうし、ミスも許されないから結構大変なんだよな自治体って。

四つ目は振興券も含まれるがコストだな。
紙であれば印刷も発送も金がかかるしそもそもデータを集めるのも一苦労だ、この辺はシンプルにデジタルにした方がいいだろうな。

五つ目はロイヤルティにも通ずるが振興券、地域通貨に対する思い入れだな。例えば母子手帳なんかだと思い出をとっておきたい、などはあると思うが振興券、地域通貨に対してはまず難しいだろう。

▼自治体では無い『色』を付ける5つの理由▼
①SNSで見かけない
②還元は正解だが循環型が必要
③ロイヤルティが無い
④コスト
⑤思い入れ

『色』こそが導線になる

ここで言う『色』って言うのは要はブランドだったり特徴だったりそう言う事になる。
実際にスポーツチームであれば分かりやすい色があるし、法定通貨自体も会計では良く色を付けていく、と言うが地域通貨や振興券なんかもこれを使った方がお得だと言うインセンティブの設計が非常に重要になってくる。
前述した五つの課題に関してはこの色を付ければ結構解決すると思っているんだよな。

▼例えばスポーツチームで『色』を付けてみる▼
①SNSで見かけない→SNSでコミュニケーション
②還元は正解だが循環型が必要→地域での循環=還元と捉える
③ロイヤルティが無い→チームと言うフィルターがある
④コスト→ほぼ無し
⑤思い入れ→→チームと言うフィルターがある

要は考え方、なのかも知れないがやはりお気に入りの〇〇って言う動機は非常に強いと感じているし自分自身もやはりそうだ。

動機と導線をチームが手にする=メディアの様な考え方

ここまでくれば地域通貨がチームが発行する事に関してはなんとなくイメージが付くと思うし、普段接している購買行動も案外頭の中では色々考えているものだって事もわかると思う。
結構イメージって大事なんだよな。
そしてチーム自体はこの動機や導線を実は提供出来るし、主の業務としては当然チームの運営なのだがそのアセットを利用すればメディアの様な考え方やエージェンシーの様な考え方も出来ると思う。
もちろんチームに人材がいない、リソースが無いって話は理解できるし今日明日に実現可能な事でも無い、これはチーム作りと一緒で徐々に育っていくものだ。

地域での経験はオフラインのメディア

最後にチームのメディア化って話をしたが地域の一番のメディアはその土地だ。
オンラインで見る事もいいし、ECで何か買う事も当然いいがその地域での体験に勝るものは無いだろう。
何も無い地域って言うのはそんなになくて結構面白い体験は転がっている、旅行のメディアに載っている場所もいいが、実際にコミュニケーションを取ってみる事が一番醍醐味なんじゃ無いかなと思う。
俺は海外でもローカルに話を聞いて、ローカルがおすすめしてくれる場所に必ず行く。
日本人初めて来たとか言われるがそれが一番面白いだろ。



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