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物語のための「世界観」を作ろう。

世界観

goo辞書によると、
1.世界およびその中に生きている人間に対して、人間のありかたという点からみた統一的な解釈、意味づけ
2.文学や音楽の作品がもつ雰囲気や状況設定

小説やシナリオにおいての意味合いは「2」。
特に「状況設定」という面ですね。

物語の舞台になる世界の仕組みを作ることが、世界観設定になります。

そう言うと世界観があって、その上に物語が成り立つように感じますが……
私は「物語の為に世界観があるべき」と考えて作っています。

そんな恒石流:世界観の作り方を、今日はご紹介。


「世界の謎」を使った物語の面白さ。

すっげえ個人的な好みなんだけどね。

物語の中で「世界の謎」が紐解かれていく系が好きなんですよ。
どんでん返しで、実は世界が○○だった……みたいな。

例えば、

・鋼の錬金術師
・神のみぞ知るセカイ
・ドキドキ文芸部
・リトルバスターズ!

みたいな作品は今でも印象に残ってます。
(ネタバレになるとアレなので、具体的に説明はなし)


で、そんな世界の謎が紐解かれる物語の何が面白いのか?
これはミステリー的な楽しさだと私は考えています。

その一つが「疑問→思考→解決」の流れ。

疑問:取っ掛かりや明確な問題提示を経て「なぜ?」が生まれる。
 ↓
思考:「なぜ?」という疑問を今ある情報から考えていく。
 ↓
解決:答え合わせをして合えば快感。合わずとも驚いて納得する。

「自分で考える楽しさ」
そして「期待を越える驚きがやってくる楽しさ」

これが面白いんだわ。大好き。

例え「世界の謎を解く」が物語の目標でなくとも、
その要素が入っている作品は沢山ありますよね。
ヒロインを助ける為に、世界の謎を解かなければならない……みたいな。

なので私は「世界観」を特に重要視しています。

故に物語の為に、世界観を作るべきだと思うのです。


世界観の作り方。

そんな「世界の謎」を含んだ世界観をどうやって作るのか。

ここから自分なりの作り方を説明してみます。
参考にでもしてくれい。

やるべきことは2つ

「プロット(物語)」「キャラクター」を絡めて考えること
表と裏の情報を分けてまとめること

これらを順番に解説していきます。


プロット(物語)とキャラクターが世界を生み出す

シナリオを構成している要素は「物語」、「世界観」、「キャラクター」

世界観だけで仕掛けを作っても、
他の要素が絡まなければユーザーには伝わりません
というか情報として与えることが出来ません。

物語を書いていく上でこの3つ要素は欠かせないものなのです。

だって物語にもキャラクターにも関わらない世界の謎を作ってしまったら、
物語の展開やキャラクターの行動で描くことなんて無理でしょ?

なので世界観を作る際は、同時並行で他2つの要素も進めていきます


とはいえ、和食を食べるみたいに三角食べするのは大変です。

まあ大変っていうか、単に軸がブレやすい
複数の軸を守りながら3つの要素を作っていくわけだから。
思考が器用な人じゃないと無理だ。

ならどうするか。

まずは大枠から、1つずつ作っていきます

まずは大まかに物語を考えて。
それを前提に世界観を大まかに作り。
そこにキャラクターを大まかに置いて。

そしたら次は世界観とキャラクターを元に物語を少しずつ詳細にしていく。
それで生まれた齟齬を修正しながら世界観を追記、次はキャラクターを……

こんな感じで考えていきます。

このやり方のコツは2つ

・思いつかない部分はすぐに飛ばすこと。
・一つのことを考えすぎないようにすること。
 (一度に詳細を書きすぎない)

ある程度、時間短縮も含めたコツになります。


こうして3つの要素を徐々に作っていく中で、

「どこを謎にするのか?」

を考えていくと結構上手くいきます。
これまで携わった商業作品もこの流れで作りました。


ユーザーに知らせる表、気付かせる裏。

やるべきことの2つ目は、表と裏の情報を分けてまとめること

世界観やキャラクター設定を固めるには、
しっかりと設定を練ることが必要。

しかし、
あらゆる情報をユーザーに見せてしまうと情報量について来れなくなる

なので考えた世界観やキャラクター設定から、
表に出す、伝えるべき情報を決めなければならない。

しかし、何も考えずに出していくのは馬鹿丸出しの行為です。

だってユーザーのことを考えてないからね。

少しずつ小出しにすれば全ての情報を出すことは可能だけど、
それで作品がまとまるのか、ユーザーが理解できるかは難しい所。


だからこそ整理しなければなりません。

ユーザーに提示する「表の情報」と、提示しない「裏の情報」を

そんな風に考えながら世界観を書いていきます。
実際は前項のように3つ要素で考えていくんだけどね。

表に出す情報はどれか、どこの位置で出すのか、誰に絡めて出すのか……
と、前者は普通に考えるのと同じですね。

大切なのは後者、裏の情報をどのようにして隠すか

こちらは「明確には出さないが推測や考察できる要素」
という形に収めるように考えています。
つまりは表の情報だけでも裏の情報に行き着くようにする。

ユーザーがただ情報を受け取るのではなく思考する隙間を作るんです。

それこそが世界の謎を解き明かす楽しさだから。

こうして表と裏で分けてまとめていくことで、
物語を作る際に「世界の謎」を上手く仕掛けられるのです。


という感じで、今日は「世界観の作り方」についてまとめました。

明確な裏付けのある方法ではありませんが、
ぜひ参考にしてみてくださいませ。

今日はここまで。
また次回お会いしましょう。


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