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「出来る」と「悩む」のジレンマ

昨日、会社の後輩と久しぶりにプライベートでZoom飲みをした。
まだその子が1年目とかで、自分が新卒2年目の初めの頃は月1とかのペースで休みの日にラフな感じでやってたけど、お互い徐々に忙しくなって、仕事でオンライン上だけど顔を合わせる機会はあったから自然と減っていた。

そんな後輩から先日「久しぶりにどうですか?」と声がかかったので、「よっしゃやろう!」と二つ返事をした。

最近の仕事の状況とか、プライベートの状況とかいろんなことを話しながらやっている中でその子が、

「最近悩んでることがあるんですよね~」

と言った。「何なに?」と聞くと、

「ここまでやってきてだいぶ出来ることが増えてきたんですよね。いろんなことを経験してきて。環境もすごく良くて。でもなんか守られている感じがするのが最近の悩みなんですよね」

これ以上の言及は2人だけの秘密としておきたいが、「出来ることが増えてきた。その分、悩みも増えた。」これがものすごくそうだなぁ、と思った。自分自身もそう感じてきたし、今もそう感じている部分はある。

それだけじゃない。
就労支援の中で、利用者さんと関わっていると利用者さんからもそんなことを感じる機会がある。ある2年近く移行支援を利用している方は、私が移行支援配属になったくらいに利用を開始したので初期から見ている方だ。

最初、その方は難しいことがあると「わからん」の一点張りで、集中も長続きするのが難しくて、”今”の自身の状態を把握することもなかなか出来ていない状態だった。だから目標とか、悩みとかも言葉にするのが難しそうだった。

その方がこの約2年をかけて段々と自分自身の障害と向き合うことが出来るようになってきた。認知的な力も、パソコンスキルも少しずつ上がっていて確実に「出来ること」が増えてきた。その分、最近その方が言うようになったのは、

「もっと○○出来るようになりたいんだけど、麻痺側の手が動きづらいんだよなぁ」

とか、

「もっと会話できるようになりたいんだけど、失語で言いたいことが言葉にならないんだよなぁ」

と言うことがある。確実に、確実に以前より麻痺側は動いているし、会話も出来るようになっているんだけど、その時よりも悩みが増えているように感じる。


後輩の話も、自分自身が感じることも、利用者さんが感じていることも含めて、もう「そういうこと」なんだろうなって思う。

出来ることが増える分、見える世界も広がって、その分悩みが増えていく。生きていく限り、成長していく限り、これの永遠ループなんだろうな。そう考えると結構大変だな、、、と思うけど、でもそういうもんだと思えばなんとかしていくしかないと吹っ切れる自分もいる。

そんな時、その悩みやモヤモヤを共有できる存在が1人いるだけですごく楽になる気がする。その悩みを変に茶化したりせず、かといって深刻にもせず、一緒に考え、一緒に面白がれる存在。

そういう存在を大事にしていきたいなと思うし、自分自身、誰かのそういう存在でありたいなと強く思う。

そうやってうまく立ち回りながら、「出来る」と「悩む」のジレンマに立ち向かっていきたいと感じる今日この頃だ。


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