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言われていちばん嬉しい言葉

皆さんが人に言われて嬉しい言葉はなんだろうか。

「カッコいいね!」
「かわいいね!」
「頭いいね!」
「優しいね!」

言われる人、言われる状況、言われ方。

局面局面によって言われて嬉しい言葉ってきっと違う。
きっと違うけど言われて嬉しい言葉ってきっとある。


すごく自分の身近な話をすると、私が普段仕事としてやっている就労支援の現場で、利用者さんから言われて一番嬉しい言葉って、

「あんた、よく見てんな」

ということが最近になってわかった。

言われた時にすっごく嬉しかった。状況自体がだいぶニッチだから共感はされにくいかもだけど、今回はちょっとそこを言語化したい。


言われて嬉しい言葉ってたくさんある。

「○○さんのおかげで出来るようになりました!」

だったり、

「○○さんありがとう!」

だったり。

もちろん言われて嬉しいけれど、でもそれは「あなたのおかげですよ!」っていつも思う。あなたが頑張ったから出来るようになったことだし、あなたが助けを求めたから手伝うことが出来たし、「だからもっと自分を褒めてください」っていつも思う。

究極の支援は「何もしない」だと思っていて、何もしなくても不自由なく活動できている状態にすることが理想だとは思っている。

じゃあ何もしないって、あんたは何すんの?ってなったときに私自身が一番大切にしているのは目の前の利用者さんをずっと「見る」ことで。

その一挙手一投足から目を離さない。


ありとあらゆる場面で介入が必要な状況から、一気に何もしなくても自立できている状態に一っ飛びなんてすることはできなくて。徐々に徐々に、談秋的に介入度を減らしていく。

じゃあその介入度の調節ってどうするかっていうとそれはもう継続的に目の前の利用者さんを見続けるしかない。変化から目をそらさないように、一つの「出来た」、一つの「困った」、一つの「サイン」を見逃さないことが大事だと思っている。

そしてその変化をこまめに伝えていくこと。特にプラスの変化は。

「○○できるようになってましたね!」
「こないだ○○まで訓練課題進めてましたもんね!」

「え、そんな細かいとこまでみてくれているの?」という部分まで見る。そうやってプラスの変化を伝えていると、

「あんた、よく見てんな」

と言ってもらえた。

「それが仕事ですからね!」

とは言いつつも、心の中ではニンマリ。大事にしていることが少しは伝わっているかなって。


やっぱり「自分」って自分のことを一番近くで見ているようで、自分の変化に対しては一番鈍感だ。成長の実感とかが湧きにくい。

そんなとき、事細かに小さな変化を伝えてくれる人がいたら嬉しい気がする。何より成長が実感できる気がする。足りていない部分も実感できる気がする。

それに。

誰かに見てもらえていることの安心感ってものすごい。「あ、自分ひとりじゃないんだ」って。

何かしてもらっているわけではなくても、ただそばにいてくれるだけで安心ってする。困ったときに自分を見てくれている人がいるから、困るところまで挑戦できる。安心があるからリスクをとれる。


いてほしいときに「いる」。

知っておいてほしいことを「知っている」。

喜びや悔しさを「一緒に」分かち合う。


そういったことの積み重ねで、信頼関係ってつくられていく気がする。


だから、

「あんた、よく見てんな」

の一言は、自分にとって利用者さんとの間で一つの信頼関係が出来た瞬間でもあると思っている。

だからすっごく嬉しい。

そしてこれからもずっとじっと見る。そして変化を伝えていく。




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