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【分析】ラーメン二郎の強み

ジロリアン

ラーメン二郎をこよなく愛する人たちはこう総称される。

店内満席は日常的で、外待ちの列も長い。並んででも食べたいと思う人が多いほどである。

味はもちろんおいしいのだが、ここでは味以外の点で注目していきたい。

判断する材料として前田裕二さんの『人生の勝算』に登場してきた「どうしてスナックはつぶれないのか」という視点から考えていく。


本文ではスナックを例に挙げて、コミュニティが深まる要素として、

①余白があること
②クローズドの空間で常連客ができること
③仮想敵をつくること
④秘密やコンテクスト、共通言語を共有すること
⑤共通目的やベクトルを持つこと

の5つを挙げている。

①余白があること

これが余白につながるかはわからないが、二郎はセルフサービスが多い。

水、レンゲも自分で。どんぶりをカウンターの上にあげるのも自分である。

またインターネット上には掲示板がある。そこには今日の味の情報や、待ちの状況、アルバイトの出来などが厳しく書かれている。客観的な視点からお客さん同士で情報を共有しあっている。

店員が存在しないところでコミュニティが完成しているのだ。

②クローズドの空間で常連客ができること

二郎の店舗の中は広いわけではない。基本的にカウンター席のみ。テーブル席がある店はほとんどない。

多くのお客さんが来店するため、一見クローズドではなさそうだが、来店するお客さんの半分以上は常連客であるように思える。知っている顔を何回も見ることがある。

スナックほどクローズドではないかもしれないが、密な環境ではある。

③仮想敵をつくること

大きな声でしゃべりながら食べている人、ゆっくり食べている人に厳しい空気がある。店は回転率が命、また自分にとって最高の麺の状態で食べたいという思いが強いからこそ、それを邪魔する人に対しては厳しい目が向けられる。

食と向き合う場なのかもしれない。

④秘密やコンテクスト、共通言語を共有すること

二郎には呪文のような言葉がある。

「ニンニク入れますか?」

普通の人が聞けば、にんにくをいれるかどうかだけ聞かれているんだろうな、と思う。それが当たり前だ。

でも違う。ここでニンニクの他にヤサイやアブラ、カラメ(店舗によっては独自のトッピングもある)の量も注文するのだ。

さらに「少なめ、マシ、マシマシ」と独自の量の言葉も。

「ニンニク、アブラ、カラメで」

はたから聞けば呪文だろう。でもこの特別感。ここでしか通じない感じが自分もこのコミュニティの一員だなと実感するのかもしれない。

⑤共通目的やベクトルを持つこと

これは先ほど上で挙げたが、店舗ごとにネット上に掲示板が存在していることが当てはまるのではないか。


以上例を挙げてきたが、これを見てもわかるように「味」だけでなく、「店」としてのでき方からもコミュニティとして人気が出るべくして出ているように感じる。


本の分析から転用して見ると、意外と面白いものだ。

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