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言語化することを趣味にする

言語化することを舐めていた。

大学の途中までの人生は目の前で起きた経験や体験、感情を自分の中で受け止めて消化するだけだった。

ノートなどにメモをすることは好きで、文字にはしていたがそれはあくまで「感想」。あったことを書くだけだった。

大学に入学し、しばらくして私は本を読むようになった。

それまでは漫画やスポーツ系の雑誌しか読んでこなかった私だがビジネス書や小説などを読むようになった。その中で「売れているものには理由がある」と思い、前田裕二さんの『人生の勝算』や『メモの魔力』、塩田元規さんの『ハートドリブン』など話題になっているものも積極的に読んだ。

そこで感じた。

自分の感情や経験をしっかり「言語化」する重要性を。


これまでの自分は上記にもあるように経験や体験、感情を受け止めて自分で消化する、行き当たりばったりの生活だった。

目の前に現れた壁を一つずつ越える。それで充実していた。

だけどいざ振り返ると思い出なんかほとんど残っていなかった。
そして消化されなかった辛い感情だけ心に残って、自分の中で限界が近づいていたことがわかった。

どうして消化されなかったのか。

それはその辛い感情の本質が何だかわからなかったから。どうしてそうなったかはわかっても、どうすればそれがなくなるか、その本質は掴みづらい。

そこで大事だと気づいたのが”言語化”だ。

経験や体験を言語化するということ

人間は忘れる生き物だ。

”エビングハウスの忘却曲線”を聞いたことがあるだろうか。

人の脳は1度勉強したことを1時間後には56%忘れ、1日後には74%、さらに1週間後には77%、1カ月後には79%を忘れるとされている

というものだ。

つまり経験や体験をしただけで終わり、とするとすぐに忘れてしまう。
そこで大切なのが復習なのだ。

大体思い出というのは定期的に思い出したり、友達との会話で話題になるから忘れない。ただ、もし一人での経験の時のためにカギになるのが言語化だと思う。

それこそ就活もそうだった。
説明会や面接を終えた後、その場の雰囲気や感じたこと、自分の対応などをすぐに言語化する。熱量を持っている段階で振り返る。そうすることで次の対策へのヒントになったり、自分の特徴だったりを感じられる。

またこういった何か大きなイベントだけに限らず、日常の一コマ一コマもしっかり言語化することも大事だと思った。そうすることで、その時起こったことが別の場面で転用できるかもしれないし、話のネタになるかもしれない。

これからは、その日に起こった出来事だけを振り返る日記ではなく、1日を言語化した日記を書いていきたいと思う。

この発想も今、この記事を書きながら思いついたこと。しっかりアウトプットすることの意義を感じながら記事を書いている。


自分の感情を言語化するということ

嬉しい、悲しい、辛い、楽しい。

喜怒哀楽という言葉があるくらい、人間の感情というのは豊かだ。

私独自の考え方として「楽しい」であったり「嬉しい」であったり、プラス面の感情に対してはそこまで意識して言語化しなくてもよいと思っている。

なぜならその時の映像を思い出すだけで感情もプラスになるし、楽しい記憶って言語化できない感情がそこにはあると思っている。だから映像で思い出すことだけでベストだと思っている。

問題は辛い感情、モヤモヤした感情だ。

これらの感情って「忘れないように忘れないように」というよりは「忘れたいけど忘れられない」に近い。おそらくそれは解決できないまま心に頭に残っているから。

そして解決するためにはその問題の正体、本質を見つけないといけない。
本質を見つけることでどうすればその問題を解決できるかが見えてくると思っている。

多くの場合、こういった負の感情の問題と向き合うことが怖いから目を背け、自分を騙し、現状の流れに沿って生活するパターンが多い。

私もそうだった。

これまで自分の感情に蓋をして蓋をして蓋をして。
自分を騙して言い聞かせて納得して。

するとどうなるかというと、結局自分は何をしたいのかわからなくなる

そんな中、私は就活の自己分析で救われた。
自分の中でモヤモヤしていることを言語化して、それを周りの信頼できる人に聞いてもらって。そうすることで、自分が悩んでいたものが明確になって、これからどうしていくべきかも見えるようになった。

抽象的な言葉(やばい、すごいなど)が増えている今、他人に正確に意味を伝えるという意味でも言語化は必要な作業である。

と同時に、自分自身との対話という意味でも「言語化」という作業は非常に大切だと今回感じた。

”生涯自己分析”

心に留めている言葉だ。その都度その都度、感情というのは変化していく。
自分の感情に蓋をせず、真正面から向き合い続ける。

言語化は義務でも作業でもなく、趣味だといえるくらい楽しんでやっていきたい。


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