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研究者がシフトするべき自由な働き方

こんにちは、りょーです。
今回は、研究者の働き方について書こうと思います。

私が思うに、研究者って世の中で最も自由な仕事の一つなんじゃないかなと。しかし現状を見てみると、予算や次の働き口などを心配して萎縮した動きが多いのではないかなと思います。

なので、研究者こそ近年の「自由な働き方」を積極的にしていくべきだと思っています!

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ここで言う自由な「働き方」とは、一つの場所や仕事にとらわれず、「組織」よりも「個人」に近い状態で働くこと、という感じにしておきます。

私はこれまで天文学の研究をしながら、フリーランスとしてAIエンジニア、Webライターをしてきました。いわゆる多様性のある働き方を実践しています。

そんな私だから見れる「研究者の働き方」があります。

研究者は専業である必要はない!

近年の働き方が変化する中で、研究者も専業ではなく多様性のある働き方をしていくべきだと思っています。

「研究」とは、文字通り「研ぎ」「究める」こと。一つの分野に特化した能力を駆使して、新たな知見を広げていくことですね。
非常にロマンにあふれていて、クリエイティビティの高い仕事です。

創造性が必要な仕事なのに、果たして一つのことだけに注力していていいのか、と私は思います。
今は人工知能など最新技術がめまぐるしく発達、普及していて、それらを取り入れることも研究を発展させる上で重要です。
そこで、それらに関連した仕事を並行してすることで、より高いレベルで最新技術を取り入れられると思うのです。

他方で、仕事に対するリスクヘッジにもなりうると思っています。
みなさんが見かけたことがある教授クラスの人間は、研究者の中のほんの一握りで、ポスドクと呼ばれる博士課程を卒業した研究員は、1-5年程度の任期付きの仕事を転々とすることが珍しくありません。

どんなにそういった仕事を順調に渡り歩いても、最終的に教授のような終身雇用のポジションにつける保証すらないわけです。
ましてや、その契約を渡り歩き続けるのも至難の技。

まぁ好きなことを仕事にしているから、この状況が「不幸だ!」と言いたいわけではなくて、研究1本で人生を勝負しにいくのにはリスキーじゃないか、ということです。

私自身、最新技術への挑戦として、仕事のリスク分散としても、研究以外の仕事もするようにしています。

フリーランスとして仕事をしていく時に考えてたどり着いた結論は、研究者は、フリーランスや副業といった現代の自由な働き方に最も適している仕事の一つだということです。

そう思った理由は、研究者として生きていく道こそが、イマドキな自由な働き方に共通する3つがあるからです!!

1. 時間ではなく結果にお金が払われることに慣れている

メリットの一つは、「時間」ではなく、「結果」にお金が払われることをわかっていること!

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研究者の契約は「裁量労働制」であることがよくあります。

裁量労働制とは、例えば9時から18時まで9時間働きなさい!ということではなく、仕事内容が決められていてそれを遂行してください、ということ。
もちろん拘束時間がある場合も多いです。

給料が時給にではなく、結果に払われるということですね。

これまでの一般的な会社の働き方は、いわゆる「時間換算型」でした。
フリーランスという働き方が浸透しないのは、成果主義な一面に引けを取る人が多いからとも言われています。
たしかに、結果が残せなかったらどうしよう、仕事をこなせなかったらどうしよう、という不安はあります。

しかし、研究者は学生の頃からどんどん結果を出して、先の仕事や予算獲得を意識しなければいけないため、成果主義な環境に慣れています
自分で結果を出さないと、次の仕事の道がないと言われ続けて進んでいくのです。つまり、成果に対してお金が払われる、成果を出さないと仕事にならない、という感覚が染み付いているんですね。

「自由な働き方」に飛び込めない理由に、このような精神的な要因があるのではないかと考えています。
つまり、このような障壁がないことは、自由に働く上で非常に重要な要素になりうると思います。
この点から研究者は「自由な働き方」に向いていると考えています。

2. 自分の名前で仕事することに慣れている

2点目は、自分の名前で仕事をすることに慣れている点です。

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研究成果には、一生自分の名前が付きまとうんです。
例えば、研究の成果は論文として発表されます。論文は過去に明らかになっていないことを考察を含めて発表するもので、その主著者はその内容の正確さの責任を請け負うことになります。

そこには「再現性」、つまりは誰がやっても同じ結果が出なければいけない、という点が重要になります。料理のレシピ的にな感じとでも言いましょうか。
そしてそこには論文執筆者の名前が紐付けされます。
なので、もし内容が捏造だったり、間違っていた場合は、その責任者の名前に傷が付くわけです(STAP細胞みたいな事件になりかねない)。

どこの組織にいるから安心、みたいなことはなく、所属機関が移っても研究成果はその人の「名前」にくっついて回ります。

こういった状況の中で、責任を持って成果を生み出して行かなければならないのですが、逆を言えば、成果を出せば出すだけ、自分の名前でやった仕事を形として残せるんです!

これからの時代(もう既にかもしれないが)、自分で仕事を取ってこないといけないですよね。しかし、仕事をもらうには自分が何をしてきたか、何ができるのかが重要になります。
つまり、自分の名前がついた成果が「明らかに」「たくさん」ある方がいいに決まっています。

例えば論文になる成果を最新の技術を盛り込んで出せば、その技術を使うだけの技量があることの証明にもできると言うことです。
そうすれば、研究以外の仕事もどんどん見つけていけますよね。

研究の現場では、成果の残し方、その成果の売り方、それらを考えて仕事をすることが常なので、見せ方次第では研究者は「自由な働き方」を手に入れやすいと思っています。


3. 離れた場所にいる人と仕事をすることに慣れている

3点目は、国内外問わず離れた場所にいる人と仕事をすることに慣れていることです。

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研究は完全に一人で行うものは少なく、共同研究者と呼ばれる仲間と協力して進めます。一般的な会社でいう「同僚」に近いですかね。

しかし、各研究機関や大学の研究室の職員数は数名と限られていて、同じ職場でフェイスtoフェイスで仕事を進めていくことは困難です。
そこで仕事をする際は、メールやSlack等のチャットアプリ、ZoomやSkypeといったテレビ電話を利用します。

一定の仕事をそれぞれがこなして、定期的にリモート会議をしながら擦り合わせて、一つの結果を作り上げていくんですね。
こういったことの積み重ねで、世の中に出る学術的な成果はできています。

しかもこの共同研究者は、決して日本人だけではありません。世界中の研究者とこのように仕事を進めることもありますから、物理的な距離というのは成果を出す上で壁になりえない、ということですね。

このように、物理的な距離がどんなにあろうと気にせずに仕事をこなせる、という点で、研究職の人は「場所、時間」にとらわれない「自由な働き方」ができると思っています。

実際の私の働き方

実際に私は今まで、研究室という職場を軸に「自由な働き方」ができています。

研究自体は、研究室にいる時間は決めていて、その場でしかできないような実験などを行なっています。データ解析に関しては、大規模なデータの動きがある時以外は、ノートパソコンだけでこなせるので、場所を選ばずに仕事をしてます。集中が途切れるような時は、カフェに移動したり部屋を変えたりという感じでできます。

副業として始めさせてもらうのAIエンジニアの仕事に関しては、土曜日にリモートワークでプログラムを組んでその性能評価を行います。そこでの作業内容をまとめて、平日の夕方に報告に行く、という契約内容を組んでもらっています。

その会社も完全リモートに移行しているわけではなく、テストケースという点でも私の働き方を導入していただいています。

以前フリーでWebライターをやっていた時には、1本いくら、という単価を設定して編集担当の方と連絡をとりながらどのくらい記事を作って行くかを相談して仕事を進めていました。

研究とのバランスをみて、次の週の記事数はこのぐらいで、というような感じですね。これらは全てChatworkとメールをベースに基本完全リモートワークで進めていて、必要が生じた時のみ会社に顔を出すという感じでした。

このように、ある仕事を軸にして、時間の都合がつけられる部分で仕事入れる、というのが非常に「自由」にできているなと思っています。

今後もこの働き方で感じたことがあれば書いていこうと思います。

おまけ-副業の選び方-

自由に働く、といっても何をどのようなペースでやっていこうか悩むと思います。

私の場合は、主軸を「研究」置いているので、そこに還元できるようなものを中心に副業を選択しています。

Webライターに関しては文章力のスキルアップです。
研究では論文執筆や情報伝達といった面で文章力は非常に重要なスキルであると考えていたので、そこを研究対象の「宇宙」ではなく他のコンテンツで磨けば、その力を還元できるのではないかと思ったから始めました。

AIエンジニアに関しては、研究で深層学習に触れ始めてから、これまで人間の目で行なっていた判断を置き換えられるな、という将来性に気づいて、仕事として取り組んでみようとおもったところがきっかけですね。

偶然自分の分野とオーバーラップするのを期待するよりは、そのオーバーラップする領域を狙って行くことが大事だと思います。

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