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火星には昔、土星みたいなリングがあった

こんばんは、りょーです。

今日紹介するのは、過去に火星が、土星みたいなリングを持っていた証拠を発見したという非常に興味深い論文です!

今日も英語の教材として、論文の概要を載せておきます。内容を理解できたら、こちらを確認しながら英語の勉強に役立ててください!興味がない人はスルースルー。

We numerically explore the possibility that the large orbital inclination of the martian satellite Deimos originated in an orbital resonance with an ancient inner satellite of Mars more massive than Phobos. We find that Deimos's inclination can be reliably generated by outward evolution of a martian satellite that is about 20 times more massive than Phobos through the 3:1 mean-motion resonance with Deimos at 3.3 Mars radii. This outward migration, in the opposite direction from tidal evolution within the synchronous radius, requires interaction with a past massive ring of Mars. Our results therefore strongly support the cyclic martian ring-satellite hypothesis of Hesselbrock and Minton (2017). Our findings, combined with the model of Hesselbrock and Minton (2017), suggest that the age of the surface of Deimos is about 3.5-4 Gyr, and require Phobos to be significantly younger.

"Evidence for a Past Martian Ring from the Orbital Inclination of Deimos" Cuk et al. 2020

前書きの通り、過去に火星は土星のような円盤を持っていたと考えられる研究結果が発表されました。

火星といえば、私たちの移住先として候補に上がるような惑星ですが、その過去の様子が紐解かれ始めています。

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こんな感じだったということでしょうか?笑
もし今こんな感じだったら、見え方も全然違うんでしょうね。

では、なぜこんなことになったのか。研究内容を見てみましょう。

今回観測の対象になったのは、火星本体ではなく火星の周りを回る衛星「ダイモス」です。こんな形らしいですよ。

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まぁ火星にとっての月、みたいなものです。火星はこのような衛星を2つ持っていて、大きい方が「フォボス」で、小さい方が今回の研究対象の「ダイモス」です。

火星表面からの高さ2万kmを飛んでいて、その大きさはわずか12km。月が3,000kmとかですから、ちっさいですよね。

こんな小さい衛星がどうやって過去にできたのか、これが割と火星周りでは熱い話らしいです。そしてその最も有力な説に「巨大隕石衝突説」があります。

簡単に言えば、巨大な隕石が火星表面に衝突して、その弾け飛んだ物質が火星の周りでちょっとずつ固まり始めた、という説です。
この形成の過程だと、こんな感じで小さい衛星ができそうだな、という世界中の偉い人たちが2017年くらいから提唱しています。

しかし!!これまで信じられてきたこの説、違くね?もともと土星みたいなリングがあって(なんでか知らんけど)、そこでできた衛星っぽいぞ、という証拠が、今日発表されたわけです。

もしかしたら今後、この研究結果、スタンダードな考え方に変わるかもしれないですよ!!

なのでここでは、簡単にどんなことがされたかを知っておきましょう。それだけで"物知り博士"を気取れる可能性大!笑

こういった大きい星の周りを、いくつかの衛星が回っていることはさほど珍しいことではないんです。そんな状況の中で、中心の星の重力の影響だけを受けながら回っているわけではなくて、それぞれの衛星同士でも影響を与えることがあります。

そして重力は重いものであればあるほど強い力を持ちます。なので、もともと小さい衛星しかない状況で何億年も回っているか、今はないけど昔重い衛星も一緒に回っていたかで、衛星の軌道が変わるんです!

わかりますかね?笑
うまく説明できてる気がしない。。。笑

人間がみている短い間だとさほど変わらないけど、大昔に大きい衛星が今回注目するダイモスちゃんと一緒に回っていたら、その時に強い重力でちょっとだけ軌道をずらされたら、数億年経った今、そのずれは大きくでているはずだ、ということです。

そして今回、高い精度でこのダイモスちゃんの軌道を計算してあげた結果、思っていた軌道と違う"ズレ"が発見されました!
その結果、隕石衝突説は違うのでは?もう少し違う要因があるのでは?という提言がなされました!

そしてその結果から、大きい衛星をつくりうる土星みたいなリングがあったのではないか?という提案がされました!しかも"可能性(Possibility)"ではなく"証拠(Evidence)"と言っていますから、相当自信がありあそう!笑

「火星って昔、円盤あったらしいよ〜、詳しくは知らんけど」みたいな感じで披露してみては??


いかがでしたでしょうか。専門外の惑星の話と限られた時間だったので、なかなか解説が難しかったな、という印象です。。。

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それではまた明日!See you tomorrow!!

見出し画像キャプション:https://mysteriousuniverse.org/2017/02/mars-may-be-developing-a-ring/

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