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うつで休んだことを前向きに捉えるには?

日本では、うつ病の患者は72万人以上という調査結果がある。(厚労省2017年の「患者調査」より)

また、ある日米両国の都市部で働く男女を対象としたアンケート調査では、うつ状態になることが「ある」と答えた人の割合は、米国で9.6%、日本で30.4%だった。 なんとうつ病の出現率でも、日本は米国の3倍も高いらしい。

うつ状態で仕事を休む。この事実自体はありふれたものになっているのかもしれない。

しかし、当人にとって、この事実が自分自身の信頼に対して与える絶望感や虚無感は計り知れない。

余談だが、経験者の話でよく「解放されて肩の荷が下りた」、という言葉を聞くことがある。これは確かに事実だったが、この言葉は、当人以外が使うにしては横暴だと感じたので皆さん気を付けて欲しい。

一度うつ状態になると、もう一度同じ職場に復帰するのは難しいことも多い。

うつ病に対する職場復帰の体制と現状として、企業全体の「メンタルヘルス不調による休職者の職場復帰状況」を見てみる。

「メンタルヘルス不調で1か月以上休職した社員が職場に復帰し、安定的に働き続けられる割合は概ねどの程度か」という質問に対する回答結果では、安定的に職場復帰を果たしたメンタルヘルス不調者は半数にも満たないことが分かった。

【出典】独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構障害者職業総合センター調査研究調査報告書

半数以上が、再休職や離職などに至っている可能性があるのだ。

そこで私は、人が自分に自信を持ているにはどうすればいいのか、どうすればいいのか調べてみることにした。


先に結論を書いておく。


うつという障壁から人格否定やアイデンティティの基礎を守るために。

日々の様々出来事に対する反応を自分で意識的に選択する。

自分の人生に対して主体的に生きている実感が得て、その積み重ねが自信に繋がり自分を勇気づける。


この結論に行きついたプロセスは以下の通りである。

まず私が行きついた言葉は、名著7つの習慣の中にあった。

「意識的に努力すれば必ず人生を高められるという事実ほど、人を勇気づけるものが他にあるだろうか」 

ヘンリー・デイヴィッド・ソローの言葉である。(知らない)

つまり、自信がある人というのは、意識的な努力は必ずや人生を高められ、人を勇気づけると確信しているというのだ。

では、意識的であり、主体的であり続け、人生を送るためにはどうすればいいのか。

次は、人の行動プロセスを紐解いてみた。

北海道大学のある研究では、人が行動(生活習慣)を変える場合は、以下のように「無関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」の5つのステージを通るとされている。

【無関心期▶関心期▶準備期▶実行期▶維持期】

無関心期:6ヶ月以内に行動を変えようと思っていない

関心期:6ヶ月以内に行動を変えようと思っている

準備期:1ヵ月以内に行動を変えようと思っている

実行期:行動を変えて6ヶ月未満である

維持期:行動を変えて6ヶ月以上である


禁煙に置き換えてみると、

禁煙すら考えていない▶禁煙しようと遠く思っている▶禁煙するつもりでいる▶禁煙して数ヶ月経つ▶禁煙し始めて6ヶ月以上

というような感じだろう。

さらに、行動変容のステージを一つでも先に進むには、その人が今どのステージにいるかを把握し、それぞれのステージに合わせた働きかけが必要になるとのこと。

例えば、準備期(禁煙するつもり)の人に対しては、「自己の解放=身体活動(禁煙)をうまく行えるという自信を持ち、身体活動を始めることを周りの人に宣言する」という働きかけが有効とのこと。

周りの人へ宣言して自己を追い込むというのは、よく言われる方法だと思うが、「身体活動(禁煙)をうまく行えるという自信を持ち」というのは非常に抽象的である。

結局、自信って何だ?そもそも自信がない人はどうすりゃりゃいいの?と思ってしまうのである。

そこで、もう一度7つの習慣に戻ってみる。

自信がある人=意識的(主体的)な努力を行い人生を高めた経験・事実から自分を勇気づけられる人とする。

自信を持つきっかけとなる経験・事実を得るためには、主体的な人になる必要がある。そして、主体的な人は、「自分の中に自分の天気を持っている」と述べられている。

天気とはつまり、自ら選択できる自らが持つ自由のことである。

天気=機嫌と考えてみると分かりやすい。自分の機嫌を左右するものを考えてみて欲しい。

直属の上司とのコミュニケーション、趣味に打ち込む時間、不景気のニュース、、、何でもよい。

あなたは、これらの出来事にさらされることで刺激を受け日々過ごしているはず。

では、それらの出来事の良し悪しはどう判断されるのか?

その良し悪しは自分のフィルターによって判断されているのではないだろうか。

自分にとっては嫌な上司も、他の人からは絶対の信頼を得ていることもある。

日々の出来事を通して受ける刺激を感じなくさせるのは、遺伝的要因や幼少期の経験等も影響するため難しい。

しかし、その刺激に対してどう受け止め自分の反応に転換するかはコントロールできるというわけである。

その、自分でコントロールできる範囲を認識し、反応を選ぶことが自由だというのだ。

その反応には、”自覚” ”想像” ”良心” ”意思”の4種類が存在するらしく、それぞれの意味は、

自覚:自分自身を客観的に見つめる能力

想像:現実を超えた状況を頭の中に生み出す能力

良心:心の奥で善悪を区別し、自分の行動を導く還俗を意識し、自分の考えと行動がその原則と一致しているかどうかを判断する能力

意思:他のさまざまな影響に縛られずに、自覚に基づいて行動する能力

といった具合である。

嫌な上司がいる、という事実に対して

→そう感じる自分がいるんだなあ(自覚)

→そんな態度を取ってしまうのにも何か特別な理由があるのかもしれない(想像)

→最初の主張は正しいから尊重するが、後の提案は身勝手であろう(良心)

→他の人は全く意見を聞いていないが、自分は良いと思った意見については受け入れるようにしよう(意思)

このように反応は様々存在するのである。


話を戻すが、”自覚” ”想像” ”良心” ”意思”の4種類の反応を意識して自分で選択するようにすることで、自分の人生に対して主体的に生きている実感が得られ、それが自信となり自分を勇気づけ、うつという障壁から人格否定やアイデンティティの基礎を守ることに繋がるのだ。


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