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子どもとフランスを旅するカウントダウンと、ケイタ君の本

来月、3年以上ぶりに、夫の故郷フランスに行くことになりました。

行き交うことがこれ程難しくなった、今のご時世。

画面越しでなく、同じ空間でやっと会える人たち
少しデコボコした、石の歩道を歩く感触
乾いた日差しと、町の匂い

この3年間、心の中で旅した風景は、リアルよりもやや過剰に美しかったり、逆に少し危なっかしかったり。私の限られた旅の経験や見聞、先入観が創り上げた風景に違いなく。

そして少し慌ただしく旅の準備をする中、一冊の本が目に留まりました。

随分可愛いタイトル、こんな本もあるのね、と。
『料理大好き小学生がフランスの台所で教わったこと』ケイタ著

しかし、可愛い表装とは裏腹に、ケイタ君はすごい子どもでした。

腸閉塞で緊急手術。手術後1週間、飲み食いが禁止されていたケイタ君。

その入院中、お腹が空いて辛かったケイタ君は、「フランスに行って本格的なフランス料理が食べてみたい」と思ったのだそうで。

小学4、5年生くらいの男の子が、こんな願望に辿り着いてしまうのが何かすごい。そしてもっとすごいのは、フランスの家庭で料理を教わるために、クラウドファンディングで支援を募って旅行資金を調達することに、「ちょうせん」し、見事にそれを実現させたこと。

彼の親も、もちろんすごいと思います。夢を抱くこと、夢を夢で終わらせないことを地で行っている。クラウドファンディングで資金を募るというのも、親の協力が全くない状況では難しいに違いないですから。

ただ、この本を読む限り、夢に挑むのはあくまで当人、小学生のケイタ君。パリを含め、4つの都市を「料理修行」しながら、この少年が感じたフランス、フランスの家庭料理の率直な感想、そしてそれらの経験一つ一つがさらなる夢に繋がっていくという、子供の夢とか可能性の領域が一気に広がる本でした。

話は、わが家に戻るのですが。

私の二人の娘(6歳&1歳)。6歳の娘にとっては、ちょうど物心がつき、初めてのフランス旅行となります。

自分は日本人であり、かつフランス人だというアイデンティを抱える彼女が、この旅行でどんなことを思うのか、とても楽しみでもあります。

一方、あれはダメ、これはOKと、あれやこれや横から口を挟んでしまいそうな私(と夫)。

子供が見たい、やってみたいと率直に感じたことを、親のフィルターを通して逐一可否をつけるのは無粋なことだよ。そう、ケイタ君とその家族に、教えられたような気がしました。

そして。

夢に挑んだり、それを実現しようとすることは、子供だけの特権ではないよ。そう言ってくれるかなと。

せっかく、旅ができる。大きな大人の私たちも、子供と一緒に何か夢を見つけられる、そんな旅になりますように。


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