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コンコルド効果(サンクコストバイアス)

人間は一度コストをかけたことを捨てることが難しい。
英仏で共同開発された超音速旅客機「コンコルド」をご存知でしょうか。コンコルドは、日本からハワイまで3時間の速さで移動できる旅客機として製造されました。一般的な旅客機であれば(羽田ーホノルル間)で7~8時間は要することからも、この旅客機の速さが分かると思います。

世界初音速旅客機「コンコルド」


そんな人類初の音速旅客機「コンコルド」は人類の期待を大きく背負って製造が進められていきます。
しかし、製造途中で数多くの問題点が露見したのです。
・機体開発が大きく遅れたこと
・開発費用が見込みよりも超過していたこと
・販売見込みにも問題があったこと
・コンコルドの収容人数はわずか100人しか乗れず、燃料効率も悪いこと
これらの問題点により、事業を撤退して違約金を支払うほうが損失を抑えられるということまでわかったのです。
しかし、どう考えても失敗するということは理解していたにもかかわらず、結局製造をやめませんでした。
見込み通りコンコルドはコスパが悪く、さらに2000年に発生したエールフランス航空4590便墜落事故(コンコルド墜落事故)により安全性の信頼が失墜、さらに2001年のアメリカ同時多発テロによる世界的な航空不況なども重なって結局多くの損失と共に撤退を余儀なくされました。

なぜ傷を広げるような行為を進めてしまったのか?
これは人間の脳のバイアスによる判断ミスといわれています。

似た例を挙げてみましょう。
ギャンブルで予算以上のお金を浪費してしまった人がいる。
もともと1万円の予算で考えていたのに当たりが出ず、せっかく来たのだから当てたいという心理が働く。

当たらない!


結果として、損失を取り返そうと予算以上のお金を使ってしまう。
状況を聞いただけの第三者は「馬鹿な奴だ」といったように考えると思います。しかし、当の本人にも損するということは分かっているはずです。それでもなぜかお金を使ってしまう。

勿論、ギャンブルには「当たるかもしれない」という心理を巧みに利用してドーパミンを出させ、依存させているというのも一因でしょう。しかし、コンコルド効果も一つの要因になっているのではないでしょうか?

これはあくまで僕の想像ですが、コンコルド効果には認知的不協和のバイアスも関係しているのではないかと思います。
認知的不協和とは、物事において何か矛盾が生じたときに、脳はその状態を不快に感じてその矛盾を解消しようとする脳のバイアスのことです。
これってコンコルド効果にも似ていると思います。
利益を出すためにコストをかけて事業を進めたのに、進めるほうが損失を挙げるという矛盾が生じる。
脳はこの矛盾を解消するために、「ここまでコストをかけたのだからうまくいかないはずはない」と考えるようになる。

僕は理系学生ですが、こういった人間の脳のバイアスや心理学ついて学ぶことはとても面白いです。
勿論、心理学を学ぶだけで大きな変化があるかといえばnoだと思います。
でも、搾取される仕組みが多い世の中では、自分から学び、アウトプットして教養を深めていかなければいけないでしょう。
また明日も、レベルアップしていきます!

ここまで見てくださり、ありがとうございました。

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