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物語はなぜ強く心を動かすのか?

 CMや企業のブランドストーリーなど近年は創作だけでなくビジネスにおいても物語が重視されています。


 色々な企業がライバルになる中で差別化し自分だけのファンを作るために物語の力を用いようとしているのです。


 「ストーリー・ジーニアス 脳を刺激し、心に響かせる物語の作り方」リサ・クロン


 この本はストーリーを書いてみたい人向けの本ですが、読み手として好きな人にもおすすめの本です。

 ストーリーの作り方のマニュアル本はテクニックだけの話に終始することが多いですが、この本は「そもそもなぜストーリーは心を動かすのか?」という所から話が始まるので読んでいて興味深いです。


追体験して学ぶ楽しさが物語の魅力


 筆者は人が物語に引き込まれる理由は物語から学べることがあるからだと言います。


 物語とは言わば自分以外の人物の生き方を覗き見して、もしそのような状況になったらどう行動すればいいかを学ぶための教材です。


 そうして未知のことを学ぶという生存上のメリットがあるからこそ人の脳は物語に引き込まれるように進化したというわけです。



物語の本質は主人公の内面の戦いと変化


 物語を作る上で一番大事なのは主人公がどのような内面の葛藤がありシナリオ上の事件を通してどのように変わるのかということです。


 どんな媒体の作品でもあるいは企業や人のストーリーでも、人を引き込むような魅力は主人公が困難に挑み変化していく過程に共感や応援をしたくなることから生まれます。


 物語の細かい作り方は省略しますが、他のマニュアル本に比べて特にこの本は主人公の内面の戦いに焦点を当てています。主人公が過去の経験からどう育ち変化にどのような抵抗を持ちどんなきっかけで変わっていくのか。それらのことをしっかり作るからこそ読み手が共感し引き込まれる物語が作られるということです。


 


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