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#18 50代から考えるリタイア後の資産設計

Note、読んでいただきありがとうございます!
今日は土曜の夜ということで、
ギリギリ週1投稿を維持できています(笑)

第17回となる前回は、
まとまった資金が入ったときの注意点について
記事にしてみました。

前回の復習
早速ですが、前回の記事ではこんなことをお伝えしました
・相続は意外と身近で、まとまった資金流入は誰にでもあり得る
・相続や退職金が入ると、金融機関から営業が来る
・推奨される商品が良いものばかりではないことに注意
・リタイアメント層の資産運用では、
「時間によるリカバリー」が若年層より取りにくい
・目減りする資産との向き合い方が重要

ざっとこんなことをお伝えしました。
ぜひ記事も読んでみてください!https://note.com/ryo3560/n/n0693e3835b38

さて今回は、
リタイア後の資産取り崩しに関する考え方を
私なりに解説してみようと思います。

難しいのは、資産が減っていく方が多い一方で
自分自身の、あるいは親の介護や健康問題など
考えるべきことが無くならないことでしょうか。

不安の無くならないセカンドライフで、
道標となる見通しを立てることができれば、
より前向きに生きていくことができるかと思います。
今日はそんなことをまとめてみます!

考えるべきことは?

考えるべきことはこの順番で7つであると思います。
勿論人によって、資産状況や健康状態
家族構成も異なるかと思います。

その上でこの7つが考えるべきことかなと思います。

①     今後どのくらい生きるか
②     最終的に資産をどうするのか
③     資産の延命措置の方法検討
④     運用の必要性
⑤     資産取り崩し方針の決定
⑥     運用方針の決定
⑦     豊かなお金の使い方

①今後どのくらい生きるか

人間の寿命は年々長くなっており、
厚生労働省の令和4年調査によると、

男性で81.05才、女性で87.09才となっています。

その時点から何年生きるか
という平均余命で見ると75才の平均余命はこんな感じです。
男性12.04年
女性15.67年

ですので、現時点では95才くらいまで
資産を持たせることができれば
ほぼ問題が無いのではないでしょうか。

②最終的に資産をどうするのか

意外と考える機会がないのが、
使い切れなかった資産をどうするのかという問題です。

子どもや相続対象となる人がいない場合であれば、
残った資産は国庫に帰属します。

Die with ZEROという書籍では、
資産を取り崩して最終的に資産を使い切って
「資産ゼロで亡くなる」ということが示されていました。

しかし現実には
資産ゼロで亡くなることは難しいです。

ただ、自分の資産を最終的にどうするのかということは
運用をするとしてもしないとしても、
早い段階で意思決定しておくことが大切です。

残った資産は子どもに、、
といったとしても資産を受け継ぐのなら早い方が有難いです。

例えば、私が親から100万円貰うとして
自分が60代になってから貰うより
30代の子育て期に貰う方が有難いわけです。
(勿論有難いのは変わりないですが)

そういった意味で、
「資産の出口をどうするのか」は早めに考えるのがよいでしょう。

③資産の延命措置を考える

リタイアメント層の資産については、
ほとんどの家庭で資産の延命措置を図ることが
必要になってくると考えます。

リタイア後のお金の流れは
おおまかに以下の流れかと思います。

厳密には、今年の資産残高×運用利率+(収入合計)ー支出ですが、ここは簡略化。。

仮に65才の夫婦2人で金融資産が2,000万円
年金収入が200万円
年間生活支出が400万円とすると
毎年200万円の赤字ですから、
75才の時点で資産が枯渇してしまいます。

より確実な資産延命措置として、
定年後も継続雇用やパートで働く(勤労収入を伸ばす)
ことが考えられます。

④運用の必要性

先に挙げたケースで説明すると、
夫婦2人で65才以降10年間、
継続雇用やパートで年間100万円の収入を得られたとします。

すると今後10年間の赤字は-100万円となり
80才まで資産を延命することができそうです。

勤労資産だけでは難しいのであれば、
金融資産収入(運用による収入)も考えていく必要があります。

運用については、
現時点で金融資産が潤沢にあり
金融資産収入が全く必要ないケースもあります。

私は全てのケースで必要かというと
そうではないのだと考えています。
下手に手を出して心の平穏と今後の未来を
乱されるようでは意味がないので。

ただ、60代でリタイアをしたとして
今後30年くらい生きるとすると
やはりそれなりの期間があります。

効率的に運用を行うことで、
自分の老後に使える資産が増える可能性もありますし
お子さんがいれば相続する資産にもなります。

私は現時点で資産運用をしていますが、
リタイア後も続ける予定です。

⑤資産取り崩し方針の決定

さて、労働収入で資産を保つことに成功したとして、
今ある資産を取り崩す必要がある方も多いです。

そういった場合どのように取り崩すのが良いでしょう。
イメージが付きやすいのは、
年間の赤字分(不足分)を毎年引き出す方針ですよね。

ここで先ほどのケースとは違った例で
説明していきたいと思います。

65才の夫婦で
現役の頃から資産運用を行ってきました。
現預金1,000万円と
投資信託2,000円を外国株式で運用してきたとします。
(※分かりやすくするため単純化してます)

手元1000万円は万一のために取っておきたい。
そこで2000万円を運用しながら取り崩すとします。

毎月の赤字が仮に10万円だとして
年間120万円ずつ取り崩すとします。

この場合のリスクとして、
運用の収益率のバラつきによるリスクが挙げられます。
収益率配列のリスクと言います。

リタイアメント層の金融資産に関する書籍を
多く出されている野尻さんという方のリンク
を貼りますので
ご興味ある方は見てみてください。

要約すると
45才~100才までの期間を前半と後半に分けて考えたとき、

前半の運用成績が良い場合と
後半の運用成績が良い場合で
トータルの運用成績が同じでも
結果が大きく異なるということが書かれています。

ざっくりと何が言いたいかまとめます。
先程のケースで
・65才以降
・取り崩し期間前半の運用成績が悪い場合に
・毎年120万円を取り崩していくと、
・思ったより早く資産が減っていく!!
ってことです。

定額ではなく毎年の残高ベースで定率で取り崩すのが
理論上は好ましいと考えています。

ただ、毎年毎年正確に取り崩すのは大変ですから
(そこまで細かく自分でできる自信はない、、)

取り崩すのであれば、
まずは資産上問題ない状態にしていく。
問題がないと分かった上で
取り崩していけばいいのだと思います!

こちらの書籍にも詳しく載っています

⑥運用方針の決定

では実際にどのように運用していくのがよいでしょうか。

運用方針の決定は以前この記事にまとめています!
https://note.com/ryo3560/n/n9c69d64733d2

日本の一般的な家庭の多くのが、
リタイア後には 収入<支出 となるでしょう。

そうすると年間の収支は赤字になります。
この赤字幅の約10年分の金額を「現預金」として残しておき
それ以外を運用に回していくことが1つの方針です。

つまり、
今後10年間使わない金融資産があるならば
運用に回しておいて、
10年後にまた運用から取り崩して現預金を確保する。
というサイクルを繰り返していくイメージですね。

何で10年なの?
5年分の赤字を持っておけば良くないですか?
と突っ込まれてしまいそうですが、
その解答は、金融庁が出している以下のデータを
参考にお伝えしていきたいと思います。

金融庁:長期・積立・分散投資の収益性
https://www.fsa.go.jp/singi/kakei/siryou/20170224/02.pdf

まとめ

今回は50代から考えるリタイア後の資産設計
という記事を書いてみました。

例として取り上げたものは簡易的なものなので、
本当はもっと色々と考えることがあります!
あくまでイメージが付けば良いかなと考えています。

実際にはもっと正確に
シミュレーションを考えつつ、
お客様の考え方や今後していきたいことなどを
お伺いしつつ設計をご提案しています。

金融資産推移のイメージ図
毎年のお金の流れを見える化

日々お客様と接する中で、
悩みというのは本当に無くならないものだなと感じています。

資産のことや将来のことは不安の種であり、
そういった不安を抱えていることで、
本来やりたいことができなかったり
もう一歩、踏み出すことが難しかったりします。

自分のやりたいことをしてもらう
自分の人生を生きるということは大変です。

難しいことではありますが、
リタイア後の人生を豊かに過ごせる人を
少しでも増やしていけるよう、
サポートしていきたいと考えています。

それでは、今回はこの辺りで失礼します!
最後までご覧いただきありがとうございました!
宜しければフォローもお願いいたします!

※こちらの記事は株式会社マネーライフプランニングにて私が執筆した記事を掲載しています

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