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お絵描きしてる子どもにかける言葉

本業は10年近くイラストレーターをしていますが、2年ほど前から幼児のお絵かきについて興味を持って、幼児教育とお絵かきについて勉強をしています。

わたし自身小さい頃から絵が好きで家でもずっと描いてた子でした。
だいたいの人は小学生くらいの段階で絵なんて自主的には描かないし、描いてと言われても恥ずかしいし苦手だからとなかなか描かなくなってしまいますよね。

日本、カナダ、セブ、インドと国内外で300人近い園児(3〜6歳)とお絵かきをしてきましたが、今のところ絵を苦手とか恥ずかしいと言って描かなかった子は見たことがありません。


友達で「わたし絵がすごい下手なの!!」という子がいるので、いつから描かなくなったのかを聞いてみたら小学生のころ、壁に並べて貼り出されて比べられたときに嫌だったと言っていて、たしかにそれは嫌だよねって思いました。

ただの楽しかったお絵かきから、上手か下手かを比べられだして嫌いになるのはすごく納得でした(あれなんとかならないのかな!!)


知育教育と呼ばれるモンテッソーリ教育の勉強をしていて知ったんですが
子供はその時期時期に発達させたい箇所を動かしたがります。

それは大人がそろそろこれをやらせようとやらせることではなく、子供が生まれつき自己成長発達能力を持っていて、それが感覚だったり、運動神経だったり、思考だったりします。

子供の絵にも発達段階があります。
そしてこれも子供の動かしたい手の運動と、脳の発達段階としっかりリンクしています。


子供の絵の発達段階


①錯画期
1歳半〜3歳の最初のお絵かきです。
身体の体重を乗せて動かして、ぐしゃぐしゃぐしゃと感触と痕跡を楽しみます。
こすりつけたり、なすりつけたりして自分の運動を確認しています。

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②象徴期
3歳〜4歳。やっと丸らしきものや三角、四角が描けるようになります。
このときの特徴は何かを描こうとして、描くのではなくて
たまたま思いついて描いたものを描いてます。
そして描いたあと「ママ」とか「ワンワン」と意味付けをしていきます。
だから「○○描こうか〜」と声がけするのはまだまだ早いです。
面白いのが、この時期の子供は目が見えない子も見える子も同じ形を描きます。
つまり絵で見たものを描いているんじゃなくて、まだ偶然できた形を楽しんでいる段階です。

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③カタログ期
3〜5歳。
やっとここで、なにを描こう?と考えてなにかを描きだします。
意思を持って描こうとして線を描きだせるのはこの時期です(これまではたまたま描いたら線だっただけ)
そして描いてある者同士の関係がなく、ただただカタログのように並んでいます。
そこそこ上手に描ける時期ですが、まだ「太陽はそこじゃないよ」とか描き場所については言わないようにしましょう。

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④図式前記
5〜6歳。
チューリップや家がみんな似たような記号っぽい絵を描くのが特徴です。
下に地面があって、上に空があるような絵が描ける時期です。
これは空間認識ができるようになったことの表れ。

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さて、こんな感じに分かれていますが、絵は、歩くことやしゃべることよりも個人個人の差が激しく、あくまで年齢は目安だと思ってください。
わたしのお絵かき教室では、アンパンマンの変な顔や似顔絵を描いたりします
。年齢は3歳以上でお願いしてますが、ギリギリ3歳です!ってお子様が来たときは、この象徴期の場合、意思を持った線が描けないのでもちろんアンパンマンも描けないのでどっちだろう!?とまず「丸を描いてみて」と言って丸が描けるかチェックします。

錯画期、象徴期の子のときは、細いペンで線を無理やり描かせないで、動きの軌跡を楽しめるフィンガーペイントとか殴っていいようなクレヨンみたいな太いのがいいですね。

おっと!話がそれましたが

つまり、絵を描く子供になんて声かけしたらいいのかといいますと

要は子どもたちはこの6歳未満の段階では、絵を上手に描こうとして描いているのではありません。

その時期時期に自分の成長と世界との接点を感じて楽しんでいる時期なんです。

まだなにも考えてないで描いてる時期に「これはなーに?」と聞きまくったり
まだ記号でしか表せない時期に「もっとこうだよ」とリアルな絵の指導をするのはおすすめできません。

よく親御さんでありがちなのが、上手かどうかを褒めることです。
自分の子供が上手で嬉しくて褒めたくなっちゃいますよね。

ただ、その絵がたまたま大人から見た上手な絵で、素で反応していらっしゃるから
その次にそうじゃない絵だったときにリアクションが小さくなっちゃって
子供が親の褒めてくれる絵に寄せていってしまいますし、褒めてくれなくなったら描かなくなります。
じ〜っ…と見てふ〜んなんて反応されたら、大人の私でも、もう仕事をやめて山籠りすると思います。


これは本当で、ワークショップのあとは基本的に親御さんにきていただいて
絵を見せてお話をしますが、絵の上手い子(のびのびだいたんに描ける子)のお母さんお父さんは声掛けが本当に上手です!!

うぉぉぉぉぉおおおおおおお〜〜〜〜〜!」とか「なにこれ本当にお前が描いたの…!?」とか大げさで見ていて笑っちゃうますがそれを聞いて子供は本当に嬉しそうで、あ〜また描きたいって思うだろうな〜って思います。

似ているとか絵がうまく描けたことを褒めるんじゃなくて、できるようになったことを一緒に喜んであげてみてください^^



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