わたしがヨーロッパに残る理由

裏を返せば「私が日本に戻らない理由」でもあるのだけど、なんとなく棘があるので、こちらのタイトルで。

答えはシンプル、今までいた場所よりも「居心地がいいから」

それがどこから来るのかというと、私の場合、この個人主義的な社会がなんとも居心地がいいのだ。

個人主義的な社会ってどういうことかというと、私の解釈は、単純に必要以上に人の目を気にしなくていいということ。

極端な例で言うと、道端でバナナ食べてても誰も気にしない。
いや、日本でも食べてもいいとは思うのだけど、「あの人、あの黄色の、なに食べてんの?バナナじゃん!」みたいな反応を想像して尻込みしてしまわないだろうか。

もちろんその国のマナーによるところは大きいのだけど、つまるところ、良くも悪くも、みんな人の目を気にしない。

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ヨーロッパに住み始めて3年目。
何もツテもコネもない時から比べたら、友達・家族と呼べる人達もいて、もちろんそういう人たちと離れるのが惜しい、なんていうセンチメンタルな部分もある。

けれども、それを抜きにして、こちらに住み始めてすぐ、
「あ、私の好きなボルテージで生きてていいぞ、ここ」
と、ピンときた。と同時に、今まで経験したことのない新しい世界に一歩足を踏み入れたワクワク感が、体の中にじわじわ染み渡った。

具体的にいうと、すごく小さなことなのだけど、学校の授業で発言しやすいとか、喜怒哀楽の自由度が上がるとか、そういうこと。

あとは、基本的には個人のやりたいことが尊重されて、周りがそれに対してとやかく言わない、そういう感じ。(「この子、本当にこの道で大丈夫なのかしら?」という親からの万国共通の心配はもちろんあれど。)

もちろん向き不向きとか、能力のあるなしのジャッジはあるけども、「やっぱり公務員が一番よ」とか、「大企業辞めるなんて勿体無い」とか、外野が本人の決断や意思に対して、根拠のないステレオタイプで詰め寄って来ることはない。はず。

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会社辞めて海外行って来ます、なんて生き方をしていると、周りの目を気にせず好きにやってる、なんて思われるのだけど、実はその逆で、人の目が気になりすぎるので、そういう人たちの目の届かないところに行ってしまいたい、というのが本音なのだ。

日本にいた頃、特に会社勤めをしていた時は、何か言うにもまず自分の立場を考えなければならなくて、自分がアウトプットしたいボリュームで、意見が言えなかったり、行動できなかったりした。

言ってみればそれは、周りの環境のせいにしている他責なのだけど、学生時代に自分で海外に飛び出して行っていた時の、自分で全てを決めていくあの自由な感じが私にとっては快感で、自分が熱量を上げられないところで周りを気にする、というのがどうもやっぱりしっくりこなかった。

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ヨーロッパは、ちらっとぐらいしか行ったことがなくて、どんなところかほぼほぼ知らずに来たのだけど、私の中では「正解」だった。

理由は書いてきた通り。他にもアメリカ大陸とかオセアニアとか、未知の選択肢があるから、ヨーロッパが「正解」という表現は厳密には正しくないのだけど、「やっぱり日本に帰りたい!」と思ったことがないところをみると、あの頃、人生に思い悩んだ私にとっては最適解だったのだと思う。

人生の方向転換をする時、私が心の中で唱える言葉は、
「違ってたら、戻るか違う道を探せばいい」

そんな感じでこの先も、人生の曲がり角を曲がっていく。




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