見出し画像

銃を持った4歳児

Twitterやってますか。

短い言葉や画像をユーザーに向けて
発信できるサービスなんですが、
10年前に実装された"とある機能"について
考えたいと思っています。

Twitter開発者の1人クリス・ウェザレルが
「私は4歳児に銃を持たせてしまった」
と語り、未だに後悔しているのが
リツイート(RT)という機能。


ホモサピエンスの能力

これを考えるにあたって、まずは
なぜ人間が滅亡せずにここまで繁栄
し続けているのかについて少し。

どうやら、私たちホモサピエンスは
ネアンデルタール人など他の人類を全滅
させておらおらと生き残っている
ようなんですが、それはサピエンスが
"ある能力"を持っていたからと言われています。

それが「フィクションを信じる」能力です。

たしかに、私たちは見たことがないものを
想像したり、噂話を簡単に信用しちゃいます。

そうした能力によって、
餌のありかや敵が攻めてきた!という知らせ
を人づてに聞いて自己防衛できたようです。

またそれだけでなく、村社会や国家といった
コミュニティ、神の存在やお金の価値も
全て「フィクションを信じる」能力
によってしか説明できません。
全て目に見えないもの、ただのフィクションです。

人間に限りなく近いお猿さんチンパンジー
でさえ、群れで過ごしているにもかかわらず
チームという概念や他者への信頼はないのです。

リツイートがもたらした地獄

さて、Twitterのお話に戻ります。
そんな私たちホモサピエンス、ギリシャ語で
「賢い人類」というなんとも傲慢な
お名前を名乗っているわけなんですが
本当に「賢い」んでしょうか?

リツイートは10年前に開発され、
気に入った投稿をボタン一つで
他のユーザーに拡散させることができます。

これによって、今までは
日の目を見なかった「掘り出し物」投稿が
凄まじい勢いで注目を集めるようになり、
"数字上の人気者"が現れ始めます。

これが災厄の始まりです。

誰もがこのバズ(拡散)の奇跡にあやかろうと
考え始めるのです。
目に見えないバズ様にすがりつき、
どんなショッキングな内容も、拡散に値するなら
善悪、またはその信憑性すら問わない。

そして拡散する人間も
ボタン一つでできちゃうイージーさにかまけ、
内容の真偽は精査しません。

この、拡散してほしい人間の強欲さと
拡散する人間のリテラシー不足によって、
リツイートはいよいよ地獄の様相を見せます。

つまり、過激な思想にバズ様が手を貸したのです。
その多くは排他的で、差別的で、偏見に
満ち溢れ、長期的に見て実現不可能なもの
であるにも関わらず、
「フィクションを信じる」ホモサピエンスは
それが本当かどうかよりも
自らの危機感や同情による強い感情から
思わず拡散してしまうのです。

それは明らかに
「4歳児の持つ銃」そのものです。

扱いを間違えれば、悪気がなくても
簡単に人を傷つけてしまいます。


5ちゃんねるwikiによる「頭のおかしい人」の定義

国内最大級の掲示板5ちゃんねるには
実は取り扱い説明書のようなものがあります。

この中に、
「頭のおかしな人には気をつけましょう」
という項目があります。

頭のおかしな人の判定基準
*「みんなの意見」「他の人もそう思ってる」など、自分の意見なのに他人もそう思ってると力説する人
*根拠もなく、他人を見下したり、差別したりする人、自分で自分を褒める人
*自分の感情だけ書く人


5ちゃんねるを使い始めたときは
「そんなやつ本当にいるのかよ笑」
と笑っていたのですが、
最近全く笑えないなと思うようになりました。

なんだか、寂しい世界になっちゃった気が
しなくもありません。



Twitterやってますか。

「賢く」言葉を使っていますか。

「銃を持った4歳児」によって怪我をして
いませんか。

あなたにとってよきTwitterライフで
ありますように。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?