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個人的に好きな芥川関連記事

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#日本文学

芥川龍之介『地獄変』解釈

芥川龍之介の『地獄変』、世間的には良秀の画道に対する狂気や妄執が主題みたいな解釈が多そう(国語の便覧・総覧にもそんな書かれ方をしてた気がするし、↑のリンク先で見かけた『ダ・ヴィンチ』の特集記事も見出し的にそんな方向性っぽい)なんだけど…私の解釈は違くて。
あの小説がえがいているのは“堀川の大殿様”であり、殿の有様を例に取った《人間の欲深さ(の救えなさ、どうしようもなさ)》だと思う。
自分も助かりた

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『蜘蛛の糸・杜子春』芥川龍之介(新潮文庫)【読書感想文】#47

このnoteは、平日毎日更新、を謳っているけれど、この二三日は実生活で文章を書かなければならず、こちらはおやすみとさせてもらった。

時間的な問題もあるが、やはりアタマの切替が難しく、同時には書けない。
毎日書かないと億劫になって辞めてしまうので、早期に復帰しようとまた筆をとる。スマホで書くから、筆というよりはアプリを立ち上げる、なんだけど。

書けないながらも読書はつづいている。
本を開き読みは

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ニホンブンガクシ 日本文学私 #1 「河童に目覚めて」(アンナ・ツィマ)

ニホンブンガクシ 日本文学私 #1 「河童に目覚めて」(アンナ・ツィマ)

プラハ4区に生まれて

 小説とは不思議なものだ。
 スラヴ文学者の沼野充義は、外国の文学を読むことの意義は、「こんなにも同じなんだ」という思いと「こんなにも違うんだ」という思いを行ったり来たりすることだと述べている(『それでも世界は文学でできている』)。それは文学に限らず、異文化に出会った誰もが一度は体験したことがあるだろう。ただし、異文化や海外の文学に長く浸るうちに、昔驚いたことも日常茶飯にな

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