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ペットの売れ残り、何のことを指している?

ペットショップの話題になると必ず出てくるこの疑問。
「売れ残ったペットはどうなるの?」
ペットショップ店員のわたしも何度かお客様から聞かれたことがあります。

インターネット上でよく囁かれているのは"殺処分"ですよね。
しかし、わたしが13年勤めていて、そのような事実は一切ありませんでした。
(経験上なかったので、殺処分があるかないかの議論は致しません。)

そもそもそういった疑問を抱く方にわたしが問いたいのは、「売れ残り」とは何のことを指しているのか、ということです。

食品であれば賞味期限切れのこと、期間限定のポップアップストアならその期間中に売れなかったもののこと、アパレル(服)なら季節外れになったもののこと。
これが売れ残り。

しかし、ペットショップは期間限定でもなければ季節も関係なし。そして、動物は寿命がくるまで生きているのですから、その生涯が終わるまで販売期限切れということはないのです。

ペットの「売れ残り」という言葉は買う側が勝手に言っているに過ぎないのではないでしょうか?

子犬が成長したら売れ残り?
鳥のヒナが成鳥になってさし餌がいらなくなったら売れ残り?
1ヶ月売れなかったら、
1年売れなかったら売れ残り?

はて、販売する側は(少なくともわたしは)このように言った覚えはありません。
売れなければいつまでもお店で育てるまでです。

店頭でこんな声が聞こえてくることがあります。
「この子売れ残っててかわいそう。」
もしくはSNS上の自分のペットの紹介で
「売れ残っててかわいそうだったのでお迎えしました。」

えぇ…

それを聞いたわたしは、あぁ、この子はこの人にとって(販売される)価値がないと認識されているんだな、と受け取ります。
売れ残りだと思われて哀れみの目を向けられていることの方が可哀想なのにな、と。

成長した子は、そういう子を探している人に出会うものです。


それからもうひとつ。
ペットショップで働きたい、って思う人はどんな人でしょうか。
どう考えても一番に思い付くのは動物好きな人ですよね。
出世してお金儲けしたい、そんな動機の人が就く職種ではありません。(だって動物業界はどこも低賃金だから…)
実際にわたしと一緒に働いていたスタッフも例外なく全員動物が好きでしたし、ペット動物に販売期限を見出すような人はいませんでした。

ですから、世間が思っている以上にペットショップの動物は大切にされていると考えて良いと思うんです。
成長している子を見かけても、売れ残り、可哀想なんて思わないで。

※展示ケージが狭すぎる、汚い、動物が大切にされていないという系統の可哀想の場合は、そこで買わないこと!(生体も用品も!)
こういうショップの店員さんも元は動物好きだったろうに、疲弊して正常に判断できなくなっちゃったんでしょうかね…
新たなる被害生体を出さないためにも、保健所や愛護センターに通報しましょう。


以上、ペットショップの悪い印象が少しでも良くなればいいな、と思う一ペットショップ店員の長い独り言でした。


因みにこれまた議題に挙がりやすい、ペットの値段に関しても思うことがあるので、できればお話ししたいと思っています。
よろしければフォローしてお待ちくださいね😌

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