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2022年新作テレビドラマ放浪記

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2022年の新作テレビドラマの感想です
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#菅田将暉

「ジャパニーズスタイル(第3話)」菅田将暉と仲野太賀の掛け合いの気持ちよさ

今週も面白かった。こんな感じで毎週笑わせてくれるような小劇場があれば、通いたいという人は結構いるのだろうと思う。まあ、「よしもと」はそういう流れの中で今も興行しているのだろうが、東京人にはよくわからない世界である。そして、グローバルにするには難しい気もする。多分、遠く昔の賑やかな浅草などで、エノケンなどがやっていたのはこういう雰囲気だったのかもしれない。 芝居を志すものは、今も多く、売れない小劇団は山のように存在する。そこには、売れない役者たち、いや、売る気がない役者たちも

「ミステリと言う勿れ(第12話)」全然、謎解きが終わっていない最終回。シーズン2は遠くない?

もはや、シーズン2を考えているようなラストである。そして、最終回は2本立て。つまり、前回のジュートの話を完結させなければいけないのと、整君に最後の活躍をさせなくてはいけないということを1回にまとめるミッションだったのだと思う。かなり、イレギュラーな作り方だし、最後に残った指輪の謎が、ガロ君から整君に託されるも、そこで終わり。こんなに視聴者をもやもやしたままに陥れる相沢友子の脚本だが、多分、彼女自体が変なパラドックスに入ってしまった感じなのか?いや、無理やり、シーズン2のおねだ

「ミステリと言う勿れ(第11話)」最後にまた連続殺人。危険な臭いに整君はどう絡むのか?

来週が最終回。昨今の連続テレビドラマには珍しい12話構成。そのくらい、評判がいいのか?どうかはわからないが、こういう猟奇的な話が絡み、ちょっとスタンスが違うドラマがそれなりに評価されているならそれは良しと言うところだろう。普段テレビドラマを見ない人が、ドラマも捨てたものじゃないじゃないかと思うようなことが起こっているのかどうか?とにかくも、結構、実験的なドラマであったことは確かだ。 そして、最初のバスジャックの続きの話が最後につけられた。こういう連ドラの構成も珍しいが、原作

「ミステリと言う勿れ(第10話)」多重人格と友達と、人の成長と

この間見た「THE BATMAN」でも、最後に友達の話をしていた。人間のコミュニケーションにおける「友達」という言葉の意味は、個々人でかなりの差がある感じがする。バットマンは、その生い立ちの苦悩の中で、人を助けている。そして、彼は孤独の中で正義を見つめている感じである。そう考えると、ここにいる、菅田将暉、演じる整君も、バットマンと同じようなダークサイドの世界でもがいているということなのかもしれない。そんなことを考えながら、整君に同化している私がいたりする。そう考える人だけが、

「ミステリと言う勿れ(第9話)」緊張感ある話なのだが、整くんが出来過ぎでついていけないですよね

ラストで整君はカレーを食べている。今まで、散々お預けモードで、旅行に行って、それを作らされても食べられないような流れの中で、ここでカレーを食べているのは、ラストに向かう合図か?そんなこともないだろう。しかし、カレーが食べたくなるドラマではある。 そして、最後に門脇麦演じるライカさんが倒れ、記憶喪失の様になっている。今まで、これも散々、謎のキャラクターとして出てきた彼女。来週、その正体がわかるのか?いずれにしても、月曜9時のこの枠のドラマとしては、なかなか難解であり、このドラ

「ミステリと言う勿れ(第8話)」それなりの役者たちを迎えてのミステリツアーは、見応えあり

第8回だから、今回の話と、もう一つの話で終了という感じだろうか?しかし、佐々木蔵之介、鈴木浩介、田口浩正など、なかなかのメンツを集めて、いや、月9らしくないオーラがある人々のミステリツアー。前半、ワインを飲むのを止める整君のところまででも結構面白かった。新聞記事などの仕込みが全てフェイクだったというオチは、結構笑えない話である。十分にこんなものは現在作れるわけであり、本当の意味で、知恵のある犯罪者がゲームとしてこういうことをすることは十分に可能なわけだ。そう、デジタルな時代だ

「ミステリと言う勿れ(第7話)」生きることがカオスに見えてくる展開。メリークリスマスと言える平和の中で

どんどんと、哲学的な幸福論みたいなところに沈んでいくドラマである。かなり勝手な解釈ができるだろうし、この混沌とした心のありかに凄く親近感みたいなものを思う人もそれなりに多いだろう。私的にはこういう世界が嫌いではない。だが、整がいうように「考えて考えて考える」向こうに何があるのか、長く生きていてもよくわからない世界観みたいなのがある。 そう、ガロ君が妹を殺めたやつを制裁する話から、ここで語られる話まで、間違いはない気がする。DVした親を殺す話の後日談の後で、助かった少女は親を

「ミステリと言う勿れ(第6話)」DVからの放火というエグい内容に、乾いてる菅田将暉がよく似合う

病院を退院したのに、病院をうろちょろする菅田将暉演じる整君。彼の前に現れる、門脇麦は、何か知っているようで、よくわからないままに今回も整の周辺に現れる。そして、いつもパジャマなのは、病室を抜け出しているから。病院というのはある意味「負」の空気が集まる場所でもある。そう考えるとお医者さんという仕事は大変だと思うが、まあ、そんなことはどうでもいい。だが、このドラマにあまりお医者さんは出てこない。それは、お医者さんの話ではないからだろう。 だから、病人と整を繋ぐものとして「自省録

「ミステリと言う勿れ(第5話)」次の話へのブリッジみたいな病院と「自省録」

マルクス・アウレーリウス著「 自省録」と言う本を絡めて1話が動く。こう言う回を挟むと、結構ゆるい視聴者は抜けていく感じがしますよね。まあ、相沢友子の脚本はそんなことお構いなしに自分のやりたいようにドラマを動かしている感じ。色々、神がかり的なことを散りばめながら、主人公は動かされる。パラレルワールドの一つとして、こう言う世界もあるか?と思わせる感じがとてもおしゃれではある。 そして、最後に出てくる、門脇麦。こう言う訳のわからぬ役はお得意ですよね。「自省録」を一冊暗記しているの

「ミステリと言う勿れ(第4話)」菅田将暉と柄本佑の対談番組のようなドラマ

このドラマ、菅田将暉とVS男優たちという設定なのだろうか?後々女優も出てくるのか?そう、菅田将暉十番勝負的な味わいを感じる。事件の設定や、それを推理し解決していく菅田の思考には少し無理がある気がするが、無理があるから面白いとも言える。 今回は菅田将暉VS柄本佑。結果的には、やはり柄本の方が役者的には奥が深い感じがした。彼は、爆弾犯人であるという体感みたいなものをしっかり演じきれている。視線があまり落ち着かないようなところもうまい。ボサボサ頭なのだが、表情がよく見てとれる感じ

「ミステリと言う勿れ(第2話)」整君のイレギュラーな感覚が異次元に誘い込む

先週のバスジャックの続きだが、バス自体も密室だし、その後にバスの乗客が引き摺り込まれた屋敷もまた密室である。そう、そんな部屋の中で延々と会話劇を続けるわけだが、集中して見ることができるのは、脚本と演出のなせる技。2話もなかなか面白かった。 バスジャックが連続殺人と繋がっているという時点で、何かゲーム感覚のドラマになってきた。そう、暗いトーンもそれを意識している感じ。ある意味、「ライヤーゲーム」を思い出したりもした。 そう、会話の中で他人の心を変えながら支配していくような感

「ミステリと言う勿れ」会話劇をいかに演出でアクティブに仕上げるか?初回はなかなか見事な流れ

意外にも、月9に菅田将暉は初登板だそうだ。モジャモジャ頭という漫画原作らしい風貌の役。その菅田が殺人犯として捕まるところから始まる事件ものである。初回は1時間半だが、その1時間は、事件に巻き込まれた菅田が取り調べを受けて、彼の自己紹介をしている感じ。そういう意味では、取調室のシーンが半分くらいで、なかなか閉鎖的空間ドラマなのか、と思ったら、真犯人は、取り調べしていた遠藤憲一だったというオチ。ここまでの流れで、刑事たちのキャラクターも全て見せていく脚本はなかなか小気味良い。脚本